「中学生以下の子どもにケータイ」賛成・反対ほぼ同数
2008年03月31日 08:00
【ネプロジャパン(9421)】が2月29日に発表した、子どもの携帯電話保有に関するアンケート調査の結果によると、中学生以下の子どもに携帯電話を持たせることについて、賛成と反対の意見がほぼ同数を占めることが明らかになった。また、持たせるとする場合にはどの年齢からがよいかという問いには「本人に決めさせる」「周囲にあわせる」なども含め意見が分散しており、保護者側も扱いに苦慮しているようすがうかがえる(【発表リリース】)。
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今調査は2月7日から8日、携帯電話のコアユーザーに対して行われたもので有効回答数は4634人。男女比は44対56で、年齢階層比は30代が42%、20代が35%など。職種別では会社員がもっとも多く43%、次いで専業主婦が19%。
中学生以下の子どもが携帯電話を持つことに対しては、賛成派が40%、反対派が42%とわずかながら反対派が上回っているものの、事実上ほぼ同数という結果が出ている。
中学生以下の子どもに携帯電話を持たせるべき?
一方、同様の調査を2年前に行ったところでは、賛成が54%、反対が41%と賛成が10%以上も上回っている。
中学生以下の子どもに携帯電話を持たせるべき?(2006年当時の調査結果、最新データとは配色が違っていることに注意)
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「子どもにケータイ」を再検討する
大人達も増える
2年の経過と共に反対派がやや増えたが、それ以上に賛成派が減り、その分「分からない」と回答する人が増加しているのが分かる。この数年間の間に出会い系サイトをはじめとした各種問題サイトによる子どもたちの被害が社会問題化するにつれ、「メリットもあるが、果たして中学生以下の子どもたちに携帯電話を持たせてよいのだろうか」と悩む大人の姿が垣間見れる。
その苦悩がいっそう分かるのが次の設問「中学生以下の子供が携帯電話を持つのはいつからが良いと思いますか?」。
中学生以下の子供が携帯電話を持つのはいつからが良いと思いますか?
そもそも論として「持たせるべきではない・必要ない」という回答が24%を占める一方で、具体的年齢層においては一部(幼稚園以下・中学2年生)をのぞくとほぼ同数の回答率という結果が出ている。また前回調査(後述)と比べて「周囲にあわせる」「いつからでも」「本人に決めさせる」という半ば放任的な考えの選択肢も追加されているが、それにもほぼ同数の意見が集まっている。レポート原本では「だいたい小学高学年からと考えるユーザーが多い」とあるが、実質的には大人の側で意見・考えが分かれ、まとまらないようすが見える。
ちなみに2年前の同様の調査では「携帯電話を持たせるべきではない」が8%に過ぎず、小学校高学年までにという回答はあわせて37%を占めていた。最新のデータでは(「いつからでも」「周囲にあわせる」「本人に決めさせる」などを除けば)19%にしか過ぎず、低年齢層に携帯電話を持たせることへの抵抗感が強まっていることが推測できる。
中学生以下の子供が携帯電話を持つのはいつからが良いと思いますか?(2006年当時の調査結果、最新データとは配色・選択肢の内容が一部違っていることに注意)
調査内の別項目の結果では、中学生以下の子どもに携帯電話を持たせる理由として「防犯上の問題」「連絡を取るため」など、子どもが受けるリスクを軽減するために必要だと考えている人が多数を占めている。大人は子どもに携帯電話を持たせることによる「安全面でのメリット」を十分認知していながら、同時にコンテンツ面でのリスクが増加していることに対し、懸念を持ち、いつ頃から持たせるべきか、そもそも持たせるべきなのかと悩んでいるようだ。
フィルタリング技術の導入が進み、これら大人の心配を解消しようという携帯電話メーカーやコンテンツ会社側の姿勢も見られる。しかし【過半数が「解除お願い」、安心して使うのは5%前後~携帯電話フィルタリングの中高生から見た感想】にもあるように十分な成果を得られるまでにはいたっていないようだ。
ちょっとリスクのあるものも含め、色々な情報を手に入れたい子ども本人、適切な情報を提供し顧客のニーズとハートをつかみたいコンテンツ配信会社や携帯電話事業者、携帯電話で安全と安心を子どもに持たせたい大人(保護者)、そして網の目をくぐって怪しげ・リスクのある情報を提供し一儲けをたくらむ悪質業者。この4勢力による携帯電話をめぐる四つ巴の駆け引きが、今しばらくは続きそうだ。
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(最終更新:2013/08/09)
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