コミュニケーション能力で尊敬したい人第一位は芸能界でおなじみのあの人

2008年03月30日 19:30

コミュニケーションイメージソフトバンク・ヒューマンキャピタルは3月25日、転職サイト【イーキャリアプラス】内で行われた「コミュニケーションに関する意識調査」の結果を発表した。それによると営業職とエンジニア職とでは求められるコミュニケーション能力に違いがあることが明らかになった。また、一見すると営業職よりはコミュニケーション能力が軽視されがちなエンジニア職においても、「業務効率向上」「意思疎通がスムーズに」「仕事の楽しさアップ」などさまざまなメリットが認識されているという結果が出ている。さらにコミュニケーション能力上尊敬している芸能人のトップには明石家さんま氏が挙げられいる(【発表リリース】)。

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営業職とエンジニア職で異なる「必要なコミュニケーション能力」

今調査は3月15日から16日の間、営業職とエンジニア職それぞれ150人ずつの男女に対してネット経由で行われたもの。男女比率・年齢階層比率は未公開。調査を行った「イーキャリアプラス」がIT系業種に強い場所なため、データはIT系企業の関係者による傾向にやや傾いていると見てよいだろう。またデータが少なめのため、世間の実情とのぶれがある可能性を前提に目を通す必要がある。

コミュニケーションイメージ「コミュニケーション能力」とは主に他人との間で、スムーズな意思疎通ができるかどうかの能力のことを指す。自分の考え方を他人に、できるだけ誤解のないように伝える積極性や表現力はもちろん、相手の声に耳を傾けて意思をくみ取り、把握し、理解し、その上で場面にあった反応を示すだけの臨機応変さが求められる。人間がもともと集団生活を行う社会性のある動物だからこそ欠かせない能力なのだが、同時に習得するのはなかなか難しいものでもある。

この「コミュニケーション能力」について現状のレベルから高めたい・高める必要性を感じている人は営業・エンジニア共に高く8割以上。特に営業と比べれば不特定の他人と話す機会の少ないエンジニア職では9割近くにのぼっている。

それでは業種ごとに求められるコミュニケーション能力の具体的な技術はどのようなものだろうか。

■営業職
・会話のキャッチボールを上手く行う力……56.7%
・交渉事をまとめる力……39.3%
・ヒアリング力……34.7%

■エンジニア職
・論理的に伝える力……46.7%
・会話のキャッチボールを上手く行う力……42.0%
・相手の主張を理解する力……38.7%

※いずれも上位三位のみ


さすが営業職では上位三位すべてが「総合的な交渉力」に関することでまとめられている。一方エンジニア職では自分の職務で得た情報を第三者に正確に伝えるべく、論理的に正しく伝える力を欲していることがわかる。調整は二の次。しかし「相手の主張を理解する力」が第三位に入っているあたり、自分の主張を伝えるだけでなく、相手の意見もしっかりと把握して自分のモノにしようという積極性も見て取れる。

営業職:交渉調整力
エンジニア職:意思伝達・現状認識力

元リリースでは10位まですべて掲載されているが、営業職では「場をまとめあげる交渉調整力」、エンジニア職では「自分の成果を相手に伝え、相手の成果をしっかりと把握する意思伝達力と現状認識力」を求めているのがわかる。逆に考えれば、それぞれの職にとってそれらの力がまだまだ足りない、という認識なのだろう。

「コミュニケーションを増やしたい」エンジニアは8割近く

営業職と比べればコミュニケーション能力が軽視されがちなエンジニア職。しかしその8割近くはコミュニケーションをもっと増やしたいと考えている。

コミュニケーションを現状以上に増やしたいか(エンジニア職のみ)
コミュニケーションを現状以上に増やしたいか(エンジニア職のみ)

「減らしたい」という選択肢がないのが気になる・誘導的な気がするが、それはともかく全体の77.3%が「増やしたい」と考えていることになる。社外を飛び回ったり不特定多数の人と出会う機会が、会社業務ではほとんど得られないエンジニア。しかし、コミュニケーションを求めているのは営業職同様であることがうかがえる。

「エンジニア職なんてのは成果物を作って何ぼの商売。他人とのコミュニケーションなど何のプラスになるんだ?」と考える人もいるかもしれない。しかし当のエンジニアたちは、コミュニケーションを増やすことでさまざまなメリットが得られると考えているようだ。

コミュニケーションを増やすことで得られる仕事上のメリット(コミュニケーションを増やしたいと答えた人のみ)
コミュニケーションを増やすことで得られる仕事上のメリット(コミュニケーションを増やしたいと答えた人のみ)

もっとも多いのは「業務効率を上げられる」。分担作業をしている相棒との間でやりとりが増えれば、無駄な作業やトラブルもおきにくくなる。やりとりがうまくいかずにイライラして、効率が落ちることもない。その他の上位項目も、どちらかといえばエンジニア一人一人の「精神的・メンタル上のメリット」を挙げる項目が多い。

エンジニア職にとって
コミュニケーションは
心の安らぎ

ダイレクトに新しい情報を入手できるような考え(たとえば「自分にはない考えや情報を得られる」)の回答率が低いことから、やはり「コミュニケーションの増加」はエンジニアには「心の支え、安らぎ」として受け止められているのだろう。

エンジニアとて人間。機械ではない。人間である以上ハートを持ち、さまざまな考えの中で日々生活し、作業をこなしていく。食べ物がエンジニアの体を動かす物理的な燃料ならば、コミュニケーションはモチベーションを高め人間らしく物事を考えるための「心の燃料」なのだろう。

「明石家さんま」「島田紳助」・明るく自己表現豊かで調整力のある人物が求められる

最後の設問では営業職・エンジニア職双方あわせて、コミュニケーション能力において尊敬している芸能人・有名人を挙げてもらっている。上位の人物を見てみれば、(主にIT系の)営業、エンジニアがどのような「コミュニケーション」をしてみたいか、能力の持ち主になりたいのかが想像できる。

■コミュニケーション能力において尊敬している芸能人・有名人
1位:明石家さんま 38人
2位:島田紳助 37人
3位:タモリ 26人
4位:所ジョージ 11人
5位:北野武 7人


トップは明石家さんま氏で38人からの支持、二位は僅差で島田紳助氏で37人。やや票数を落として三位がタモリ氏で26人、以下所ジョージ氏、北野武氏と続いている。どちらかとえば「おとなしめな明るい人」よりも、「底抜けに明るい人」しかも「司会などを歴任し、調整能力に長けている人」が憧れのようだ。

やや偏見かもしれないが、特にエンジニア職といえばおとなしめでコミュニケーションが苦手っぽいイメージがある。明石家さんま氏のようにはっちゃけた明るさとマシンガントーク、話の展開のうまさを持つエンジニアがいたら、単なるエンジニアとしてだけではなく部局内のリーダー格、さらにその上のマネージャーとしても活躍できるのではないかと考えられる。

もっとも、四六時中あちこち歩き回って「ひゃーっほっほっほっ」と奇声をあげながら他のエンジニアへの突っ込みをしまくるのでは、コミュニケーション云々以前に能力上の問題を問われるだろうが(笑)


対外イメージがまったく正反対な営業職とエンジニア職。しかし双方とも職種で区切られる前に人間であることに違いはない。繰り返しになるが、細部に違いはあれど、営業職もエンジニア職もコミュニケーションを欲し、コミュニケーションがもっとうまくなりたいと望んでいる。それが自分自身はもちろん、周囲の一人一人、そしてとりまく環境にとってもプラスになることを知っているからだ。

会社も社内全体で、あるいは部局単位で、コミュニケーションが活性化するような仕組みを色々と手助けして用意する必要がある。一見業務そのものとは関係ないことで無駄に見えても、職務についている一人一人にとってポジティブな効果を生み出せば、長い目で見て絶対にプラスになる。

もちろん本人自身も「コミュニケーション、したい!」という想いを持ち、一歩前に踏み出す勇気と努力が求められるだろう。

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