【更新】スペインは太陽エネルギー先進国!? ポルトガルに世界最大規模の太陽光発電所建造中
2008年03月27日 08:00
再生可能エネルギーの筆頭として今や毎日のように話題に登るようになった、太陽電池による太陽光発電。その太陽光発電所の世界最大規模のものが現在ポルトガル南部で開発中であるという。最終的には2520枚もの太陽電池パネルが設置され、ポルトガルの平均家庭3万世帯分の年間電力使用量をカバーできるだけでなく、15万トン近い二酸化炭素排出を抑制できるとのことだ([参照記事:読売新聞])。
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スペインの太陽熱発電
無数の鏡で太陽光を集め
熱で蒸気を発生させて
タービンを回す
この太陽光発電所の建設を担当しているのは、スペインの大手建設会社【アクシオナ社】。[スペイン大使館経済商務部の資料(PDF)]によればスペインでは再生可能エネルギー(石油やガスのように「採掘したらオシマイ」ではなく、常に原材料が再生しえるエネルギー)の研究開発が盛んで、特に大規模な太陽電池設置による太陽光発電では、世界をリードする存在になっているという。この太陽光発電や太陽熱発電、風力発電をスペインの主力産業の一つに育て上げようという動きもある。
スペインの太陽エネルギーによる発電量の伸び
元々スペインでは雨が少なく日光が差す日が多いため、太陽光発電にはうってつけの場所ともいえる。それが太陽光発電などの再生可能エネルギーの開発を促進する一因にもなった。ちなみに太陽'光'発電は太陽電池で電力を発生させる。初期導入コストが高い代わりに小型化・モジュール化が可能。太陽'熱'発電は鏡などで光を集めて高熱状態のポイントを作り、蒸気を発生させてタービンを回し、発電させる。導入コストが安いが大きな面積を必要とする。
太陽電池を用いた太陽光発電の最大の課題は「コスト高」。これまでの研究開発の流れから、将来的には性能が上がり価格が安くなることは間違いないが、それには画期的な技術革新が必要ともされている。とはいえ、すでに現状で太陽電池のニーズは極めて大きく、スペインは太陽電池の出荷数で世界有数の量を誇っている。そして今後は特に、これから成長を続けるであろう発展途上国に向けた輸出が増えるだろうという。
「太陽光発電技術とマーケティングで革新を続けるスペインの太陽電池メーカー」とのキャプションと共に掲載されている太陽電池群。
今回「世界最大の太陽電池を建造」と報じられたアクシオナ・エネルヒア社は太陽電池以外にもバイオテクノロジーや風力発電などにも従事しているが、特に太陽電池部門の成長は著しく、この8年間で収益は50万ユーロから9600万ユーロに急伸したとのこと。さらに放置している農地に貸与電池を置いて電力を発生させ、その電力を電力会社に買い取ってもらい収益を得ることで、集合住宅に住んでいるためにソーラーパネルを設置できない人でも太陽エネルギーを用い、投資できる仕組みをつくりだしている。
このアクシオナ社は再生可能エネルギー市場の成長で勢いをつけ、最近ではイタリアの電力大手会社と組んでスペイン国内の電力大手の買収を検討しているという報道もある【(AFP NEWS)】。それだけ勢いがあり、さらにこの市場の行き先が明るいことを示すニュースの一つといえよう。
日本では太陽電池の技術開発が著しく、色々なニュースが飛び込んできている。モジュール化しやすい太陽電池は個人ベースでも利用が容易で、日本国内でも十分なニーズがある。さらに広大で太陽光発電に適した土地はアメリカやスペイン、オーストラリア、アフリカなど、世界中に山ほど見つけることができる。つまりそれだけ市場の創造が可能ということだ。将来のことを考えると是非とも躍進してほしい分野ともいえる。
スペインのアクシオナ社のように、再生可能エネルギーを中心とした事業展開を大規模本格的に行い、それをさらに海外にも「輸出」するような企業が日本にも次々と登場することを期待したいものである。
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