アサヒビール、満腹感が長持ちする「満腹たんぱく」を発見
2008年03月25日 08:00
【アサヒビール(2502)】は3月24日、植物を材料とするたんぱく質の中で満腹感が長く継続する効果があるもの「満腹たんぱく」を発見し、そのメカニズムも解明したことを発表した。実験用ラットだけでなく人間にも効果があることが実験で明らかにされており、今後応用次第でダイエット商品などに使えるなどの期待がもたれている(【発表リリース】)。
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今回発見されたたんぱく質は、ダイエットの障壁「空腹感」「口寂しさ」を解消するために満腹感を持続することができる素材」探しという課題を設定して探求を続ける中で発見されたもの。実験用ラットにおいて、通常のえさを与えた場合とこの特定たんぱく質を混ぜたえさを与えた場合とでは、その後の食べる量に違いが出る(特定たんぱくのえさの方がその後の量が少なかった)ことが判明。この成果から特定たんぱく質を「満腹たんぱく」と命名した。
→満腹感の持続
「満腹たんぱく」の効用を確認するため、さらに「満腹たんぱく」を食べた後にどれくらい胃の中に食べたものが残っているかを確認したところ、通常のたんぱく質と比べて「満腹たんぱく」は明らかに胃から排出されるスピードが遅い(=胃の中に残っている時間が長い)ことが判明。このことが満腹感を持続させている大きな要因と位置づけた。
人間への「満腹たんぱく」の実験結果。
ピンクの「満腹たんぱく」入りの方が
濃青の「通常食品」より満腹感を
持続している様子が分かる
この「満腹たんぱく」の効用が人間でも有効なのかどうかを確かめるため、外部の一般人による実証実験を実施。15人に対して「満腹たんぱく」を含む試験食品とそうでない同様の対照食品を摂取させて15分おきに3時間後までの自覚における満腹感をアンケートで記録。すると「満腹たんぱく」を配合した試験食品を摂取した後は、対照食品(普通の食品)摂取後と比べて満腹度が高い状態が続いていることが明らかになった。要は「満腹たんぱく」を口にした方が同量でも普通の食品以上に「お腹一杯感を長く感じ続けている」ということになる。
アサヒビール側では今回の発見について、たんぱく質の中でも「腹持ち」の違いについてさらに研究を進めると共に、今回発見された「満腹たんぱく」が日本人に馴染み深い植物由来の一般的な食品素材であることから、安心して摂取を続けることができ、応用の仕方によって健康的にダイエットを続けられる可能性を秘めているとしている。
「植物由来」という表記のみで、具体的にどのような植物を元にしたたんぱく質かはリリースでは一切語られていない。かつて一世を風靡したダイエット法に、こんにゃく系の素材を用いた粉末を元にしたものを食事前に飲み、お腹の中でふくらみ満腹感を演出することでダイエットに役立たせるというものがある。今回の「満腹たんぱく」はそれと類似しているようにも見えるが、「こんにゃく系」はお腹をふくらませて(普通の食事が入るスペースを減らし)少量の食品でも満腹感を持たせるのに対し、今回の「満腹たんぱく」は食事そのものが胃から先の消化器官に移る時間が長く、「食べたもの自身の満腹感が長持ちする」という効用を持つ。この違いを見ると、どうやらこんにゃく系とは別物のようだ。アサヒビールの研究開発、というところからビールに関係のある穀物系のものと思われるが、詳細は追って発表されることだろう。
ともあれ、「食べた時の満腹感が長続きする」ということは、食事中の「もう一品」や間食への誘惑を断ち切るのに有効な効用であることに違いはない。実際にどの程度の効き目があるのか、商品化はもう少し先となるだろうが、「満腹持続感」を試してみたいものである。
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