「エコレールマーク」って知ってる?
2008年03月20日 19:30
先日別件で国土交通省のサイトをのぞいていたところ、見慣れない言葉が目に留まった。その言葉は「エコレールマーク」。「エコマーク」(環境保全に役立つと認定された商品につけられるマーク)は知っているが「エコレールマーク」など聞いたことがない。地球に優しい製鉄を使ったレールに付けられるマーク、にしては地味すぎるし、それならむしろ「エコタイヤマーク」の認定の方が先だろうと思ったのだが、【該当の発表リリース】を読んですっきりした。
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エコレールマーク
「エコレールマーク」の定義は次の通り。ちなみに公式ページは【こちら】。
環境にやさしい鉄道貨物輸送を活用して、地球環境問題に積極的に取り組んでいる商品・企業であることを表示するマーク。現在20商品・40企業が認定済み。
■商品の認定基準について
当該商品について、数量または、数量×距離の比率で30%以上の輸送に鉄道を利用していること。(500㎞以上の陸上貨物輸送または全陸上貨物輸送)
■企業の認定基準について
当該企業について、数量または、数量×距離の比率で15%以上の輸送に鉄道を利用していること。(500㎞以上の陸上貨物輸送または全陸上貨物輸送)
要は「省エネで大量輸送が出来る鉄道貨物を積極的に活用し、輸送の面でもエネルギー問題や地球環境問題をしっかりと考えていますよ」ということをアピールする認定マークが「エコレールマーク」なわけだ。通常の「エコマーク」の弟分と思えば良いのだろう。
公式ページによれば、鉄道貨物輸送は対自家用トラックの1/50、対営業用トラックでも1/7程度の環境負荷で済むという。リリースを調べると、「エコレールマーク」は2005年5月24日の第一回以降2~3か月に1回の割合で審査委員会が開催され、該当する商品や企業が認定を受けることになる。
ちなみにこの「エコレールマーク」、認定されたからといっても賞金をもらえるわけでもなければ節税のメリットがあるわけでもない。しかし企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)が重要視される昨今において、このような取り組み・アピールを見せることは企業にとってプラスになることこそあれ、マイナスなことは無いだろう。
柔軟性や機動力に欠けるため、最近は貨物輸送を用いている企業が減少しているという話を聞く(実際コンテナが満載されたコンテナ貨物車両をあまり見かけなくなった)。しかし自動車・トラック用のガソリンが高騰し輸送費用が跳ね上がる昨今、貨物輸送が見直され、それに伴い「エコレールマーク」も注目を集める日がやってくるかもしれない。
やや余談になるのだが、国土の特性上、日本は鉄道が普及するはるか以前から船による大量輸送が盛んだった。その観点からすると「エコシップマーク」もあってしかるべきではないかな、と思うのだが現在はまだそのルールはないようだ。ただし国内間の輸送を担当する船便・海上輸送を意味する「内航海運」の業界紙【内航海運新聞】によると、内航総連と長距離フェリー協会の運用による「エコシップマーク制度の制定」を提案する動きがあるようだ。今後環境対策への注意感心が高まれば、「エコマーク」の兄弟分がますます増えることになるかもしれない。
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