【更新】変化する育児環境……情報収集もネットで
2008年03月16日 12:00
C-NEWSが3月14日に発表した調査結果によると、育児に関する情報の収集元として「インターネット」は「友人・知人」に続き高い支持率を集めていることが明らかになった。また、今後の情報収集においては若年層ほどインターネットに対する期待度が高いなど、育児の面でもネット情報が必要不可欠になりつつある様子がうかがえる([発表ページ])。
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今調査は3月1日から2日の間、就学以前の子どもを持つ女性の会社員・公務員、または専業主婦のネットユーザーに対して行なわれたもので回答数は1000。有職者・専業主婦と29歳以下・30歳以上の構成比はそれぞれ1対1。なお「インターネット経由」での調査なため、ネット関連の回答では世間一般より「やや」優位な結果が出ていることを配慮してデータを見る必要がある。
●現在の育児情報入手先は「友人・知人」「インターネット」
3世代家族なら色々な育児に関する知識を祖父母から得れば良いが、核家族化が進む現在ではそうもいかない。育児のノウハウや常識はどこからか入手しなければならないわけだが、その入手元としては「友人・知人」がもっとも多かった。
現在における育児情報の入手元
興味深いのは年齢階層によって回答傾向に微妙な差が生じていること。「インターネット経由による調査結果」という点を割り引いても、30歳未満の層が30歳以上の層と比べて、インターネットや育児雑誌など、対人関係を煩わせることなく(あるいは自分一人でも)入手できる情報源を重視している傾向にあることが分かる。また30歳未満では意外に自分の肉親である「母親・祖母」への期待度も高い。
このデータだけで若年層は他人との係わり合いが薄くなっている、と想像するのは行き過ぎかもしれないが、少なくともインターネットを頼りにしていることは明らかなようだ。
●今後は「インターネット」が「友人・知人」を追い抜く
現在の時点では「友人・知人」「インターネット」がほぼ同数、若年層でやや「インターネット」が有利かも、という傾向だった。これが「今後」となるとその傾向がより鮮明に現れる。
今後における育児情報の入手元(希望)
「現在」では30歳未満の層で「友人・知人」「インターネット」が同数だったが、「今後」では「インターネット」が「友人・知人」を大きく引き離している。また、30歳以上では「友人・知人」が相変わらずトップだが、「インターネット」との差が縮まっているのが分かる。若年層はもちろん、それより上の層でもインターネットによる育児情報に注目しているということだろう。
興味深いのは若年層において「保育園・幼稚園」に対する期待度が「現在」と比べて跳ね上がっていること。(主婦にとっての)父母が身近にいない核家族においては、もっとも身近にいる「リアル」な育児のプロは保育園や幼稚園の従事者に他ならない。インターネットや雑誌など、情報媒体からの情報では物足りない、あるいは「分かっているのだがやはり一抹の不安を感じる。じかにプロの話を聞きたい」という想いがこの結果を出しているのだろう。
インターネットを使えるパソコンの普及率は高まり、それ以上にネットにアクセスできる携帯電話は多くの人の手の内にある。操作方法を学べば誰でも気軽に情報を入手できるようになった時代においては、育児情報もまた容易に手に入る。
例えば【gooベイビー】のように大手のポータルサイトの多くでは育児関連のコミュニティの場を用意。専門家のサポートのもと、きめ細やかな情報の発信と母親同士の情報交換が行なわれている。育児は何かと情報不足で孤独感(育児ノイローゼの一因)に陥りやすいが、ネット経由で同じような立場にいる人たちと情報や気持ちを分かち合うことで一体感を得、安心感を確保できるのだろう。
アンケート結果で若年層において「保育園・幼稚園」への期待度が高いことを考えると、今後は育児系コミュニティに専門家だけでなく、「保育園・幼稚園」の現場にいる人の意見の導入を検討してもよいだろう。さらには「セカンドライフ(ゲームでなく、第二の人生の意味)」を迎えた人たちのコミュニティとも連動させてさまざまなアドバイスのやりとりができるようにするなど、世代間をまたいだ育児情報の交換の場もありかもしれない。
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