当たり前のことばかり、だからこそ難しい? 新入社員に最低限満たして欲しい条件ランキング

2008年03月14日 06:30

時節イメージ検索エンジンgooにおいて実施されていた【新入社員に最低限満たして欲しい条件ランキング】の結果発表が行われ、第一位にはよく言われている「挨拶ができる」がついた。会社員の新人という限られた状況だけでなく、社会生活全般において必要不可欠な「挨拶」が、一番新社会人に求められている結果となっている。

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今調査は2008年1月22日から2008年1月25日、gooリサーチのモニターに対してアンケートを行い、その結果を集計したもの。集計母数は掲示されていない。

そろそろ新年度を迎え、多くの企業では新入社員が入社してくる時期。ビジネス街には初々しいスーツ姿の人たちが街中を闊歩する様子が、そこかしこで見受けられるようになる。しかし社会人・企業人というくくりにおける先輩諸氏の目から見れば、「こんなことも出来ないのか」と頭を抱えたりあきれ返るような態度をしていることもしばしば。

新人社員に「これだけはしっかりとこなして欲しい」と会社側が望む項目のトップは「挨拶(あいさつ)」。「挨拶」は一つの言葉・くくりですべてを説明するほど簡単なものではなく、言葉遣いやタイミング、姿勢など、その場その場の状況を判断し、適切に、しかも相手を思いやる気持ちを持って自然に発するようにならなければいけない。ただし慣れてしまえばごく当たり前のように、自然に口から出て、体が反応するもの。「挨拶」は礼儀やマナー、企業人のルールという以前に、人間が社会生活を営む上で必要不可欠なものでもあるため、もっとも重要視されているといえよう。

第二位は「やる気がある」。モチベーションが高くなければどんなに頭が良く、技術に長けていてもそれを活かすことが出来ない。張り切りすぎて空回りするのも問題だが、適度な積極性が求められている。

第三位は「素直である」。新しい世界ともいえる企業に飛び込んだ新人社員の目から見れば、社会人としてのルールは疑問符を投げかけたくなるものも多いだろう。社会的に見て「?」マークを発することへの問題意識は欠かせないが、同時に「新しいルールへの順応」も必要といえる。

ランキング上位を見てみると「挨拶」「遅刻・欠勤をしない」「報告」「身だしなみ」など、社会生活上必要不可欠な項目と、「やる気」「素直」「協調性」「謙虚さ」など企業人としてのしきたり上・人間性そのものとして欠かせない項目の二つに大別することができる。両方とも本来は企業に入社する前に身に付け、入社後の各種研修で各企業毎のローカルルールを補完するべきもの。ところがこれらの項目が「最低限満たして欲しい」の上位に来ているということは、逆にいえば「現状ではそれらすら見たしていない事例が多い」と読み取ることもできる。

新人社員・新社会人(予備群)の立場からは「しっかりとやっている。むしろ上司が自分たちを正当評価していない」「まずは自分自身を鏡で見つめなおせ」と反論する声もある一方、「当たり前のことが出来ない人が増えているのでは」という意見、そして「そもそもしっかりと教わっていないのだからいきなり言われても出来るはずがない」という声も上がっている。企業の、そして社会生活の先輩から見れば「当たり前」のことでも、教わっていなければ出来るはずもない。学生時代に自然に身につけているはずでは(特に社会生活上必要不可欠な項目面)と思われがちだが、社会ルールを学ぶ機会が減っているのも事実である。

企業の上司や現社会人も、「挨拶すらできないのか」などと嘆くだけでなく、どうしてそのようなことになったのかを考えながら、「それならばこの場でしっかりと鍛えてやるか」と発想を逆転するくらいの意気込みで誠意を持って新人社員にあたってほしいもの。同時に新人社員側もこのランキングを見て、自分たちに求められているのはどのようなことなのかを再認識し、足りない部分があれば身につけるよう努力をすれば、きっと一目置かれることになるはずだ。

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