「アメリカで一番健康に悪い」のらく印を押された食品たち

2008年03月10日 06:30

大食漢なアメリカ人イメージ大量生産と消費をDNAに刷り込み、渡米した日本人が見たらガリバー気分を味わえる食事の量をあっさりと平らげるアメリカの人たちも、さすがに最近では食生活上の健康に「も」留意する傾向が見えてきた。先ほど別件で調べものをしていて見つけた、男性向け雑誌【Men's Health】なる雑誌の特集で取り上げられていたのは、【健康を維持したいのなら食べちゃいけない20の食品(The 20 worst foods in America)】というものだった。要は20の食品カテゴリーそれぞれについて、「これはカロリーごってりだから食べちゃダメ」「これは油でべちゃべちゃだから口にしないほうが良い」などと、健康に留意する男性に注意を呼びかけているものだ。特集のキャッチコピーも好戦的。「米国食品産業はあなたのウエストラインに宣戦布告をしました。このリストこそが彼らの止め処もないインフレカロリーな'兵器'に立ち向かうものです」。そして数々の項目の「一番」の中から勝ち抜き(?)、栄えある「The worst food in America」つまり「アメリカで一番健康に悪い」の栄冠を勝ち取ったのは……

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「アメリカで一番健康に悪い食品」こと「Outback Steakhouse Aussie Cheese Fries with Ranch Dressing」
「アメリカで一番健康に悪い食品」こと「Outback Steakhouse Aussie Cheese Fries with Ranch Dressing」

こちら。【アウトバックステーキハウス】というステーキチェーン店のメニュー、「Aussie Cheese Fries with Ranch Dressing」。直訳すると「ランチドレッシングをかけたオーストラリア風チーズフライドポテト」。スペックは

・2900キロカロリー
・脂肪分182グラム
・炭水化物240グラム


開いた口がふさがらない。リストの説明には「夕食の最初にこの'最強料理'を、例え3人で分けて食べたとしても、メインの料理が届く前に一食分の平均カロリーを摂取しきってしまうでしょう」とある。ちなみに日本人の平均的な一日摂取熱量は2700キロカロリー、元記事では一応「アメリカ人の平均的一日摂取熱量は2500キロカロリー」とある。つまりこのチーズフライドポテトを一食で平らげると、健康的な食生活を維持するためには、後の二食は絶食しなければならなくなる。

他の19カテゴリーの「健康に悪い食品」も「一番」に勝るとも劣らぬ内容で、例えば「前菜」の「一番健康に悪い食品」は【Chill's】AWESOME BLOSSOM。直訳すると「凄まじい花」。

最強の前菜、「AWESOME BLOSSOM」。2710カロリー。
最強の前菜、「AWESOME BLOSSOM」。2710キロカロリー。

要は周囲を取り囲んだたまねぎフライを中央のソースにかけて食べるというものだが、2710キロカロリー、203グラムの脂肪、194グラムの炭水化物、そして6360mgのナトリウム(塩分換算16.1グラム)というシロモノ(価格は7.29ドル=730円)。「どこが前菜やねん」「前菜やのうて'全'菜やがな」と毎秒16回でツッコミを入れたくなるほど。もちろん多人数で食することを前提としているのだろうが、それにしてもパワーがありすぎ。

Chili's Chocolate Chip Paradise Pie with Vanilla Ice Cream(チリのチョコレートチップパイ・バニラアイスクリームがけ)イメージ他にもデザートなら同じく「Chill's」の【Chili's Chocolate Chip Paradise Pie with Vanilla Ice Cream(チリのチョコレートチップパイ・バニラアイスクリームがけ)】がピックアップされており、こちらは1600キロカロリー、78グラムの脂肪、215グラムの炭水化物を食することになる。元記事の説明にいわく「デザートにビックマックを食べる? このチョコレートパイならビックマック3つ分のカロリーだよ?」。価格は5.29ドル(530円)なので、安価にカロリーを取れるという意味ではありがたいデザートかもしれない。

「彼ら」の魅惑に打ち勝ち健康的な食生活をおくるための5か条

農薬入りの冷凍ぎょうざや歯をみがくと生命の危険にさらされる歯磨き粉などのように「直接健康に悪い」ものたちならともかくとして。これら槍玉に挙げられた食品は、カロリーなどの栄養分が飛びぬけて高く、健康にマイナスだと分かっていても「魅力的な美味しさ」がある。だからこそ、このように注意喚起も行なわれている。

さすがに「健康を考えたら食べない方が良い具体的食品」を挙げただけでは気まずいと思ったのか、元記事では「米国食品産業からの戦争に耐え抜き、生き残るために必要な5つの知恵」を掲載している。その5つとは

1.大きなサイズを注文しないように(原文は「スーパーサイズ」とある)
2.茹でものや焼きものを注文し、フライものは注文しないように
3.スープやサラダを最初に注文して食べ、お腹をふくらませよう
4.フライ(揚げ物)の代わりに野菜を食べよう
5.デザートにはスイーツの代わりにカプチーノかワインにしなさい


というもの。この5か条を守るとすれば今回リストアップされた20食品は全部口に出来なくなるだろう。ただ、「大食漢」が多いアメリカの人たちのこと、「大きなサイズがダメなら、普通サイズを三人前」「野菜ならいいのね? じゃ、サラダを五人前」「茹でものOK? じゃあボイルしたシャウエッセンを30本、お願い」と平気で注文しそうな気がする。


元記事には最後に、これらの食品や注意事項を挙げた上で次のような言葉を挙げ、締めくくっている。投資行動においてもよく言われる、あの言い回しだ。すなわち、

自分の責任で食べてください。(Eat at your own risk.)


である。

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