環境問題、最大の課題は「何をすれば良いのか分からない」
2008年03月03日 06:30
gooリサーチが2月29日に発表した調査結果によれば、二酸化炭素削減をはじめとした地球温暖化対策について、全体の6割が取り組んでいると回答したものの、消極的な人の大半は「効果がはっきりしない」「何をすれば良いのか分からない」など認識不足状態にあることが明らかになった。キーワードとしての「地球温暖化対策」「二酸化炭素削減」こそひんぱんに耳にするようになったが、具体的な内容に関する啓蒙はまだまだ不足しているものと思われる(【発表リリース】)。
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同調査は2月上旬にインターネット経由で行なわれ、20歳以上の男女1097人が回答している。男女比や年齢構成比については非公開。
「二酸化炭素削減対策」に取り組んでいるか否かという問いには、全体で約6割が「取り組んでいる」と答えている。ただし積極的な姿勢を見せているのは全体で1割に留まっている。
「二酸化炭素削減対策」に取り組んでいるか否か(男女別と年齢別)
自分の身のまわりで(自分で理解できる範囲で)出来ること、気が付くことがあるのかどうかを考えた場合、家事全般を任されることが多い女性の方が「二酸化炭素削減対策」に関わる可能性が高いと思われる。調査結果にもそれが現れており、女性は7割近くが程度の差はあれど「取り組んでいる」と答えている。
また、年齢層別では歳を経るにつれ、取り組み度合が増えているのが分かる。時間と心の余裕が持てるようになり、周囲に気を配れる機会が増えたからなのだろう。また、次世代に託す地球のことを真剣に考え、自分で出来ることから、という想いもあるのかもしれない。
「地球環境問題対策」「二酸化炭素削減」という言葉はあまりにも規模が大きいように聞こえるが、実際一人一人が出来ることは限られているし、その小さなことの積み重ねが大きな成果を生む。具体的な取り組み内容では、「ごみの分別やリサイクル」「電気を小まめに消す」「冷暖房の温度をひかえめに」など、かつて「省エネ対策」として推奨されていたことが上位についている。
具体的にどのようなことを「地球環境問題対策」「二酸化炭素削減」で取り組んでいるか
小さなことからコツコツと、ではないが、ちょっとしたことが地球に優しいだけでなく、自分自身のおサイフにも優しい行動であるのが分かる(地球に優しいといわれてもその分出費が増すのなら、誰も積極的に行なおうとはしないだろう)。
環境問題について男性よりも女性の方が積極的であることが見受けられたが、同時に消極的な人の階層では「効果がはっきりしない」「何をすれば良いのか分からない」など「情報不足」「啓蒙不足」な人も女性の方が多いことが分かった。
なぜ取り組みに消極的なのか
とりわけ女性では6割強が「何をすれば良いのか分からない」と回答しているのが目立つ。上記回答を見れば分かるように、ごみの分別やリサイクル、電気のこまめなスイッチング、冷暖房温度の設定変更、調味料などは詰め替え品を使うなど、実際には「地球に優しい」だけでなく「家計にも優しい」ことが多い。
「効果がはっきりしない」層については「一人の努力で劇的な変化が出る」たぐいのものではないので説得は難しいかもしれないが、「何をすれば良いのか分からない」層、特に女性層には具体的な行動事例を示すだけで容易に「取り組み積極派」に移行するだろう。
ならば「家計に優しい」から
はじめよう
「地球環境問題対策」「二酸化炭素削減」の大部分は資源の浪費から来るもの。逆に考えれば資源を節約することで、対策にもつながる。資源高が叫ばれる中、繰り返しになるが「地球に優しい」は「家計に優しい」でもある。
環境問題に消極的な人の思いは概して「環境対策をしよう、といわれても規模が大きすぎてつかみどころがない」というところだろう。啓蒙する側も大義名分を前面に押し出しているきらいがある。温度上昇がどうとか二酸化炭素がどうとかいう、多数の「一人一人」には大げさ過ぎる問題ばかりをクローズアップせず、まず「家計に優しい」生活習慣をアピールすることが、さらなる「地球環境問題対策」「二酸化炭素削減」につながるに違いない。
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