mixiの規約改定は「銭湯のガラス張り」化、かも

2008年03月05日 06:30

mixiイメージ【ミクシィ(2121)】は3月3日、同社が運営しているSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の【mixi】について、4月1日から利用規定を改定することを発表した(【発表ページ、mixiへのログインが必要】)。既存の利用規定を全面改訂し、ミクシィ側がmixi内における情報について「無償かつ非独占的に利用する権利を許諾する」「ユーザーは著作者人格権を行使しない」などの表記が盛り込まれているため、「自分の日記を勝手に出版されるのでは」と危惧する声が各所で噴出。ミクシィ側でも翌日に各種説明を追加している。

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ことのあらましや過去の事例などは【C-NET】【IT-media】をはじめとする各種法人系サイトで詳しく語られているので詳細はそちらで確認してもらうとして、端的にまとめると

「規約を4月1日から改正するね。ユーザーはうちに対して著作者人格権を行使しちゃだめよ(ミクシィ側)」

「この規約改定だと自分の'日記'(ここが重要)が勝手に本や他のネット媒体の素材にされて他人の目にさらされるかもしれないし、それに対して自分は何も意見や権利を主張できないじゃないか!(利用者側)」

「いえ、そんなことはないです。権利はちゃんと守られますし、サーバなどにデータを納める際に行なわれる作業を明記しただけ。日記などの情報も無断で使用することはないですよ(ミクシィ側の追加説明)」


というもの。似たような話は2004年にライブドアブログなどで問題となり、この時には規約の表記が分かりやすいように改められている。

ミクシィ側の追加解説、つまりミクシィによる規約の解釈の真意があくまでも「付随説明」に過ぎず、規約そのものには反映されていないことから(契約上は規約に明記されていなければどうにでもなる)まだ油断はならない、とする意見も多い。4月1日の施行まであと一か月程度あるので、それまでに多方面からあげられた意見を元に修正が行なわれるのだろう。

それぞれの考え方や解釈、懸念事項は多方面でのサイトなどにお任せするとして一言だけ。

mixiってSNSだよね? クローズなコミュニティじゃなかったっけ?


mixiの規約改定は
銭湯のガラス張り化の
ようなもの?

SNSは基本的に、お膳立てとして「非公開」があり、その前提があるからこそSNSたるだけの価値があった。公開されたら普通のブログや掲示板と変わらない。4月1日から施行される規約では、「(一部規制はあるものの)内容を誰に見せるのかはミクシィ側が決める」と解釈できてしまう(第18条1項の「本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします」あたり)。

分かりやすく例えるなら、女子生徒だけが通えるということでアピールしていた女子高に、突然男子も入校できるように校則を変えたり、昔のイギリスで流行っていた「秘密クラブ」の内容を出版化する、果ては公衆浴場(銭湯)の女湯に男性の入浴を許したり壁をガラス張りにするようなものだ。

SNSが自分自身の中身について公開化、つまりは「SNSではありませんよ」となりうる内容を規約に盛り込むあたり、自分自身の存在意義の否定ではないかと思われるのだが、どうだろうか?

……色々と事情や思惑はあるのだろうが。

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