国内株式への見直しか・野村と日興が相次いでETF上場へ
2008年03月06日 07:00
野村アセットマネジメントは3月5日、日本株式の上場投資信託(ETF)17本を3月25日に上場すると発表した。17業種の業種別株価指数の値動きに連動するETF。また日興アセットマネジメントもTOPIX100や中小株の指数に連動するETF計3本を24日にも上場すると発表している。ETFに対するニーズが増えていることや、日本国内株式への評価の見直し、現状が底値に近づいているのではないかという認識がうかがえる(【野村発表リリース、PDF】【日興発表リリース、PDF】)。
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野村側のETFは10口単位での売買が行なわれ、最小投資金額は10~35万円程度になる予定。それぞれTOPIX-17(業種別株価指数)の各業種の指数に連動して値動きが行なわれる。具体的な対象指数は次の通り
TOPIX-17 食品……「水産・農林業」「食料品」
TOPIX-17 エネルギー資源……「鉱業」「石油・石炭製品」
TOPIX-17 建設・資材……「建設業」「金属製品」「ガラス・土石製品」
TOPIX-17 素材・化学……「繊維製品」「パルプ・紙」「化学」
TOPIX-17 医薬品……「医薬品」
TOPIX-17 自動車・輸送機……「ゴム製品」「輸送用機器」
TOPIX-17 鉄鋼・非鉄……「鉄鋼」「非鉄金属」
TOPIX-17 機械……「機械」
TOPIX-17 電機・精密……「電気機器」「精密機器」
TOPIX-17 情報通信・サービスその他……「その他製品」「情報・通信業」「サービス業」
TOPIX-17 電力・ガス……「電気・ガス業」
TOPIX-17 運輸・物流……「陸運業」「海運業」「空運業」「倉庫・運輸関連業」
TOPIX-17 商社・卸売……「卸売業」
TOPIX-17 小売……「小売業」
TOPIX-17 銀行……「銀行業」
TOPIX-17 金融(除く銀行)……「証券、商品先物取引業」「保険業」「その他金融業」
TOPIX-17 不動産……「不動産業」
一方日興側のETFはTOPIX100(日本大型株……時価総額や流動性の高い上位100銘柄)、TOPIX Mid400(日本中型株……TOPIX100以外の、時価総額・流動性の高い400銘柄)、TOPIX Small(TOPIX100やTOPIX Mid400以外などからなる銘柄)に対応したもの計3本。
今回のように多数の日本株式を対象としたETFが相次いで発行された背景には、次のような要件があるものと思われる。
・個人投資家の「個別銘柄はリスクが高く苦手。ETFなら……」「多彩なETFがほしい」というニーズの高まり、業種別に見た株価動向への注目
・金融商品の品揃えの充実による顧客サービスアピール
・取引所側からのETF上場の促進気運
・金連動型ETFなどの成功
・売買手数料以外に信託報酬も確保できる
これらに加え【大証、24時間取引の実現を2010年度までに目指す】などにもあるように4月以降は金以外の商品価格に連動する形のETFも事実上解禁され、原油や穀物などの商品関連ETFが上場される気運が高まっている。両社のETF大量上場は、これらの動きに先駆けてのものといえるだろう。
今回上場するETFの中には、注目を集めるであろう業種のものも多く含まれる。日興側のリリースにあるように「これらのETFを通じて、より多くの投資家が日本株の魅力とその投資価値を改めて見直し、日本株市場へアクセスする」ことを願いたい。
■関連記事:
【東証、金や原油など商品ETFの上場制度を3月にも実施へ】
(最終更新:2013/08/11)
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