9つの「実は健康じゃない」健康食品
2008年03月20日 19:30
先日紹介した【「アメリカで一番健康に悪い」のらく印を押された食品たち】が掲載されていた【Men's Health】には、アメリカの世相や生活がかいま見れるニュースやコラムが掲載されている。まるでちょっと品質の高い世俗情報誌を読んでいるようですらある。特に食生活に関する話では、「アメリカ人ってやっぱり日本人と違うよな」と当たり前のことを再確認させてくれるものばかり。その一方、日本人である我々にも役に立つ話がいくつも載っているのが非常に興味深い。今回紹介する【9 health foods that aren't】もその一つ。直訳すれば「実はちっとも健康じゃない9つの健康食品」となるのだろうか。
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元記事では前書きとして「ダイエットのためにピザやチーズバーガーを封印しようとするのならちょっと待った」という挑戦的な言い回しに始まり、「普段食べている『健康そうに見える』『健康食品の肩書きを持った』食品たちが、実は体重のグレードアップに一役買ってるのかもしれませんよ」と説明。肥満の黒幕が意外なところにいる可能性を示唆している。そしてリストアップしているのが、次の9種類の「実はちっとも健康じゃない9つの健康食品」たち。
・Bran muffin(ブラン・マフィン)……420キロカロリー・20グラムの脂肪
「ブラン」、つまり小麦のふすま(外皮)を多く使ったマフィン。朝食に食べる人も多い。繊維質はお勧めであるものの、砂糖と粉は朝からは必要ない。健康的だと誤解されているがカロリーが多すぎる。代わりにイングリッシュマフィンとハムやチーズを食べなさいとのこと。
・Chicken Caesar salad(鶏肉のシーサーサラダ)……900キロカロリー・60グラムの脂肪
じゃぶじゃぶのドレッシングとパルメザンチーズ、クルトンがカロリーをマックスに仕立て上げる。特にチーズのカロリーが高い。代わりにグリルチキンをドレッシングなしの野菜サラダで食べればカロリーは半分に抑えられる。
・Tuna melt(ツナサンド)……900キロカロリー・50グラムの脂肪
薄味のツナは比較的健康だが、マヨネーズやドレッシングでごちゃ混ぜにされたツナ三度は問題外。ローストビーフやハムサンドイッチに取り替えるだけで、カロリーをほぼ半減できる。逆にいうと、2倍の量のローストビーフサンドイッチのカロリーに相当するということ。
・Chicken wrap(鶏肉ラップ)……700キロカロリー・35グラムの脂肪
某大手ファストフードが最近メニューに加えた、具を薄いピタで包み込んだもの。説明にいわく「この巻物自身が最悪。でんぷんと脂肪がごってりでこれだけで400キロカロリーもする」。さらにマヨネーズがカロリーアップに拍車をかける。グリルチキンサンドイッチを似たようなものとして食べ、カロリー半減を実現させなさいと勧めている。
・Turkey burger(七面鳥バーガー)……850キロカロリー・50グラムの脂肪
「七面鳥の肉はとってもヘルシー」と思われがちだが、実際には牛肉のハンバーガーと同じくらいの脂肪やカロリーを含んでいる。一方で、実はサーロインステーキやハンバーグはそれほどカロリーが高いわけではない、とも説明。七面鳥バーガーを食べるのならサーロインステーキバーガーを食べたほうがはるかにマシ、とのこと。
・Fruit smoothies(フルーツシェイク)……600キロカロリー・120グラムの砂糖
砂糖たっぷりコーンシロップごってりなシェイクは、健康とはまったく正反対のところにあるもの。プレーンヨーグルトで作られた果汁だけの(砂糖を加えていない)シェイクなら、カロリーや砂糖を大いに減らせるだけでなく、抗酸化作用も期待できる。
・Granola bar(グラノーラ・バー)……200キロカロリー・15グラムの砂糖
コーンフレークや麦などのシリアルにドライフルーツなどを混ぜたシリアル系食品。シリアルそのものは健康的かもしれないが、それらを結びつけてブロック化させる「つなぎ」が問題。とうもろこしで作ったシロップを使っているため、カロリーたっぷりになってしまう。シンプルなシリアルクラッカー(Triscuits)とチェーダーチーズを使ったスナックサンドの方が「まし」。
・Pasta salad(パスタサラダ)……300キロカロリー・20グラムの脂肪
パスタそのものがカロリーはもとより炭水化物を大量に摂取してしまう元となっている。代わりに卵サラダを食べればカロリーはさほど減らないかもしれないが、新陳代謝を邪魔する炭水化物ではなく、活性化させてくれる良質なたんぱく質を身体に提供してくれる。たんぱく質は満腹感にもプラスとなる。
・Yogurt with fruit on the bottom(フルーツ入りのヨーグルト)……190キロカロリー・30グラムの砂糖
「朝からコーラ1缶分を丸呑みする人などいないでしょう?」との挑戦的なコメントが原文にあるが、このフルーツ入りのヨーグルトはそれと同じくらいの砂糖を含んでいる。ヨーグルトと果物は健康的かもしれないが、シロップがやっかい。ヨーグルトを朝食にとりたいのなら、自分でプレーンヨーグルトを用意し、それに果物を混ぜて「自作」しなさい、とのこと。
先の「「アメリカで一番健康に悪い」のらく印を押された食品たち」の原文に目を通した時にも感じたのだが、アメリカ人の食生活において「健康に悪い、問題がある」と指摘される食品の大部分は、その食品そのものに問題があるのではなく、量や調理の仕方に問題があるような気がしてならない。
今回の「7つの大罪」ならぬ「9つの'非'健康食品」にしたところで、七面鳥の肉に対する誤解やグラノーラ・バーの「つなぎ」のカロリーの高さ、「パスタサラダ」の炭水化物の件は納得がいく。しかし鶏肉のシーサーサラダやツナサンドは食品そのものより、調理の仕方が不健康さを盛りたてているように見えるのだ。また、量そのものも日本人が考えているより大量の可能性もある。
ライフスタイルの違いもあり、アメリカ人の目から見た「実はちっとも健康じゃない9つの健康食品」がそのまま役に立つとは思えない。とはいえ、直上の「納得がいく」件は日本でも十分参考になる。また、「過ぎたるは及ばざるがごとし」ではないが、「いくら健康そうに見える食品でも色々と付け加えたらそのメリットが台無しになる」という教訓として役に立つだろう。
(最終更新:2013/08/10)
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