●「実年齢より若い」3割、けれども「不安」6割

今調査は3月17日から20日の間、インターネット経由で50歳から79歳の男女に対して行なわれたもので、有効回答数は500件。男女比は1対1。年齢階層比率は未公開。ネット経由での調査なため、全体のシニア層よりはややIT技術に長けた層に片寄っている可能性がある。

自身の健康状態、そして実年齢と健康状態について尋ねたところ、次のような回答が出た。

6割近い人が「健康に不安」を抱えていながら、その一方で34.4％が「自分の身体は実年齢よりも若々しい」と判断していることになる。なお「健康状態的に若い」とはあくまでも本人の主観であり、医学的に検証されたものではない。本当にそのように感じている人も多いだろうが、中には強がりで答えている可能性もあることを書き記しておく。

●クチコミやテレビで「食事」「睡眠」を心がけ健康維持

健康に自信を持ちながらも不安も併せ持つシニア層。それでは健康維持や病気予防のためにどんなことをしているのか。複数回答でたずねたところ、やはり食生活の面における注意がトップにたった。

バランスのとれた食生活をはじめ、「規則正しい」「適度な量」など食事関連の項目がいずれも上位を占めている。食生活はいつの世代でももっとも回数が多く身近な日常生活の行動であると同時に、健康に大きな影響を与える要素でもある。それだけに日頃「気をつけねば」という行為をしていることも多く、反省の意味もかねて留意しているのだろう。あるいは比較的容易に実行できるから、なのかもしれない。

一方、単に食事を減らすだけでは逆に身体を壊してしまうだろう。その他にも独りよがりでは達成が困難なものは多い。病気予防や健康維持に関してどのような媒体を参考にしているのか、「参考にする」派の中で支持か多かったのは「テレビ」や「新聞」など従来型メディアからのものだった。

これは先に【10代は動画投稿サイトが大好き!! 年齢階層別に見た「従来四大メディア」と新情報メディアのせめぎ合い】で分析しているように、シニア層がインターネット系の新興メディアより従来型四大メディアの利用度が高く、信用もしていることの現われといえる。健康に対する注目度そのものが違うが、仮に若年層に同様の質問をすれば、ネット系情報媒体が上位にくるに違いない。

今回の調査からは

という、シニア層における健康への姿勢が見えた形となった。ではどのような方向性で「健康でありたい」と考えているのか。もっとも多いのは「体力を付けたい」で42.4％だったという。そしてそれに続くのが「若々しくありたい」(40.2％)、「ダイエットしたい」(32.0％)とのこと。

体力の増強と若々しさは半ば相通じるものがある。現状を維持し弱体化を避けたい・できることなら数年でも良いから体の上の時計の針を逆回しにしたい。そのような想いが見え隠れしているようにも見えるのは、当方だけではあるまい。