たまごをモチーフにした優しい車両「スマイルトレイン」が4月末から西武鉄道に登場
2008年03月31日 08:00
西武鉄道は3月24日、新型の通勤車両30000系(愛称:スマイルトレイン)の第一編成車両(8両編成)を4月26日から新宿線に投入し、営業運転を開始すると発表した。「たまご」をモチーフにしたり、開発チームに多数の女性が参画して意見が取り入れるなど、「優しさ」を随所に感じ取れる設計となっている(【発表リリース、PDF】)。
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30000系スマイルトレイン
この「3000系スマイルトレイン」は新生西武鉄道の象徴となる車両としてデザイン設計が行われた。「Smile Train~人にやさしく、みんなの笑顔をつくりだす車両~」のコンセプトのもと、安全・環境技術を満載し、西武鉄道でははじめて開発チームに多数の女性が参加。さまざまな配慮が施されている。
・安全、安心
……強固なアルミダブルスキン構体を採用、車両情報装置に信頼性の高い装置を新規採用。
・環境への配慮
……窓ガラスには紫外線・赤外線カットガラスを採用、カーテンも設置して空調効果を効率化。
……ゴム床材には火災発生時にも有毒ガスが出ないものを採用。
……アルミ車両やインバーター制御装置の採用で省エネルギー化。
……空調システムにはオゾン層に影響を与えない冷媒を使用。
・快適性
……アルミダブルスキン構体は遮音性にも優れている。
……ドーム型の天井などで車内に開放感を提供。
……自動でで温度・湿度・乗車率・季節を感知し調整を行う「全自動空調制御」を導入。
・女性意見の反映
……優先席デザインにハートをモチーフにした絵柄を採用。
……吊り手や貫通扉の衝突防止表記などにたまごデザインを採用。
……パイプや手すりなど車内全体を丸みを帯びたデザインに。
……吊り手などを抗菌加工、指紋が目立たない仕上げに。
・防犯性
……壁や貫通扉を大型ガラス化し、明るい室内を提供。
・ユニバーサルデザイン
……車椅子スペースには固定ロープとヒーターを設置。
……出入り口上部にLEDランプや色の明度差を導入。
……15インチのカラー液晶画面で視覚による情報提供。
……車体の床面を低下。ホームとの段差を少なく。
などの特徴がある。特に車内に液晶画面を設けてさまざまな情報を提供する仕組みは、先に【「トレインチャンネル」~電車の中の液晶モニタ映像広告にみる、プロモーションメディア広告の善戦ぶり】でお伝えしたようにJR東日本が山手線車両で導入し、広告媒体を作り収益を上げることに成功している。西武鉄道でもこの「30000系スマイルトレイン」で同様の仕組みを作ることで、利用者に付加価値を与え、自社は広告収入の場所を得るという「一挙両得」の場を確保しようと考えているものと思われる。
なおこの「30000系スマイルトレイン」、日立製作所に建造を発注しており、全部で120両が製造されるとのこと。全車両の製造と路線への導入にはしばらく時間がかかるだろうが、夏までにはたまご型のようなやわらかい、優しさが感じられる車両を目にする機会も出てくることだろう。
(最終更新:2013/08/09)
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