全部で300億円以上……あの証券会社のトップ5が手にした「年収」
2008年03月11日 08:00
アメリカやヨーロッパの金融機関、証券会社などは軒並みサブプライムローンやモノラインなどの金融商品の損失で大きな赤字を出している中、大いに目立つ存在となった米証券会社・投資銀行大手【ゴールドマン・サックス】。新人のボーナスが1000万円超え、平均ボーナスが7000万円以上という話だでもケタはずれな話だが(【ゴールドマンサックス社の年間報酬、平均は62万ドル(7300万円)】)、思いっきり空売りをかけていたから昨今の下落相場でも増益を確保し、際立った存在としてクローズアップされたという話もある。先日【NewYorkTimes】誌において、そのゴールドマン・サックスのトップ5に対して、去年1年間に支払われた報酬総額に関する話が掲載されていた。その額、しめて3億0500万ドル。日本円で300億円以上という額である。
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2007年におけるゴールドマン・サックス証券のトップ5の報酬
「どこの国の国家予算だよ」というツッコミが入りそうな一覧だが、これはトップ5の「生涯報酬」ではなく2007年一年間「のみ」の報酬。例えば会長兼CEO(最高経営責任者)であるLloyd C.Blankfein氏の場合、固定給は60万ドル(6000万円)とこのクラスの会社ではそれなりな額だが、ボーナスが2700万ドル近く、株式・オプション報酬が合わせて約4200万ドル、さらにその他の報酬もあわせて7000万ドル(70億円)が一年間の稼ぎとなる。ここからさまざまな補償金や昨年の収入にかかった税金や支出などを差し引いて、実質的には6850万ドル程度の額になる。それでも約69億円。
リストを見ると固定給は皆同じで、成功報酬的な意味合いの強いボーナスや株式・オプションなどの報酬が大半を占めていることが分かる。株式やオプションは相場の変動でその価値を変えることや、現金化しないと流動性を持ち得ないこともあるが、それでも現金のみのボーナスで2700万ドル(27億円)を受け取っている。
今回の報酬リストに対する元記事のコメントもさまざま。絶賛する声もあれば稼いだ額に比例するものとして当然だとする冷静な反応、「社長は二人もいらないだろう」という声もある一方、「取り過ぎだ」「方法論を変えた世界からの搾取の結果だ」「ストックオプションが多すぎて株主に損害を与えている」など賛否両論の意見がとびかっている。
ボーナスや株式の報酬はいわば「成功報酬」。少なくともそれ以上の利益(116億ドル)を会社にもたらしているから、仕事の対価ということならば当然かもしれない。しかしそれにしても規模が桁違い。
どのような感想を持つかは、人それぞれ。単純にうらやましい、と思う人が多いだろうが、コメントの中にもあるように「市場を引っかき回して混乱させ、多くの人の富を奪い取る形で得た巨額の報酬」に対して良い思いをする人ばかりではないかもしれない。
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(最終更新:2013/08/10)
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