16の「健康的だと思いこまされていた」食べ物たち
2008年03月24日 06:30
先の【9つの「実は健康じゃない」健康食品】でも触れているが、アメリカ人は日本人以上に食に対して「極端な」ニーズがあるらしい。最近では健康ブームにあやかり、多種多様な「健康食品」が登場している。しかし栄養士のElizabeth Somer嬢によれば、それらの中にも「言葉のトリック」を巧みに用い「健康をうたっている食品だけど、実はだまされてるんだよ」的な食品が満ちあふれているという。彼女が指摘する「16種類の'そんなものを食べても健康にはならないよ'(Foods that fool、直訳では「だまされる食物」。意味的には「間違った常識で健康ぶっていた」「選択の仕方が間違ってるよ」)」とはどのようなものだろうか(【原文:Foods that fool】)。なお元の文章では具体的な商品名が多数挙げられているが、日本で販売されていないものも多いのでここではその多くを省略する。また、原文においては「15種類」という見出しが用いられているが、ジャムの部分が2つに分割できるので、ここでは「16種類」としておく。ともあれ、実際に役立てる場合には、類似品で該当しそうな項目をチェックすれば良いだろう。
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●1.シリアル(Cereals)
子どもが食べるジャンクフードと同じくらい砂糖が大量に含まれているのが問題。アーモンドクランチなら繊維はもうちょっと多いが、その分カロリーはもっと多くなる。それにはすべて全粒粉から出来ているが、いわば「チョコレート漬け」な(※それくらいの糖分があるということ)全粒粉のお菓子が「健康的だ」と主張するのは大間違い。
[代替案]全粒粉やフスマ'だけ'、あるいは砂糖をちょっとだけしか含まないシリアル。
●2.チップス系のお菓子(Chips)
チップス系のお菓子の大部分は、主材料が上新粉やじゃがいもに過ぎないことが分かるはず。果物コーナーで販売されていることが多いが、実情は成分のほとんどがそれらとは関係ないことが分かる。
[代替案]歯ごたえのあるものがほしいなら、リンゴのスライスや生のえんどう豆などを。あるいはドライフルーツを自作するものもあり。
●3.クッキー(Cookies)
カロリー多すぎ。脂肪分が少ないとうたっているものも、代わりに砂糖が大量に入っているので台無し。
[代替案]やや割高になるが100カロリーパックのような、カロリーを制限できる小口のパックを。
●4.クラッカー(Crackers)
「しっかりとした小麦で作られていますよ」とアピールされていても、その小麦だけでクラッカーが作られていると思ったら大間違い。主要成分でなくとも、大量の脂肪分が含まれていることも多々ある。
[代替案]成分表をしっかりとチェックする。怪しげな表記があればキャンセル。
●5.ドライフルーツ・ナッツ系スナック(Salty snacks)
ドライフルーツやナッツや各種の種などが含まれた、乾燥タイプの豆菓子。色々な種や果物が混じっているので健康そうに見えるが、実のところはカロリーや脂肪分が山盛り。
[代替案]100カロリー限定の同種のパッケージを選択する。
●6.加工肉(Packaged meats)
牛肉のホットドックより七面鳥のホットドックの方が低カロリーかと思ったら大間違い。鶏肉の方が(皮の部分も含めて)カロリーが高い。
[代替案]低脂肪・低カロリーを銘打った牛肉のホットドックを選択。
●7.ジュース(Juices)
ブルーベリーやざくろなど抗酸化要因を持つ果物のジュースがトマトジュースなどと比べて健康だ、というわけではない。それらのジュースの多くは、普通の果物(りんごやぶどう)など、そして大量のシロップが成分のほとんどを占め、健康に良いとされる果物たちの含有量は成分全体の5%程度にしか過ぎない。
[代替案]直接果物か水を飲む。あるいは果汁100%のジュース。
●8.ピーナツバターやゼリー状のジャム(Peanut butter and jelly)
ジャムには脂肪分がピーナツバターより少ないものの、シロップによる砂糖で台無しにしている。砂糖にせよ脂肪分にせよ、1カロリーは1カロリー。
[代替案]ピーナツバターが好きな人に止めろ、というのは酷(※元記事の筆者はピーナツバターが大好物らしい)。分量を減らし、我慢する。
●9.全果物のジャムか普通のジャム?(All fruit jam or regular jam?)
どちらも同じ。カロリーの観点では全果物のジャムが砂糖を用いた甘味料を使うのに対し、普通のジャムがコーンシロップを使うという違いがあるに過ぎない。
[代替案]「適量に」使うこと。果物っぽさがほしいのなら、バナナやリンゴそのものを薄く切ってパンにはさむ。
●10.サラダセットかレタスの袋詰め(Salad kit or bagged lettuce?)
既製品のサラダセットにはヘルシーに見えて大量のカロリーや脂肪分、そして塩分が入っている。某社のクルトン入りサラダセットを1人前分平らげると、1日に必要な量の半分の脂肪分とまる1日分の塩分を口にしてしまうことになる(サラダで、だ)。レタスも似たようなもの。
[代替案]ほうれん草やレタスを用い、自分の好みの低脂肪ドレッシングをちょっとだけふりかける。
●11.野菜の代用品(Vegetable substitutes)
野菜成分を取得できるというサプリメントが流行っているが、ホンモノの野菜を食べる場合と比べて摂取できる量はきわめて少ない。例え食品の代わりにサプリメントで特定の栄養成分を充足したとしても、その他多くの栄養は身体に取り込まれておらず、健康に良いとはいえない。
[代替案]文句を言わず野菜を食べなさい。以上。(※原文ほぼそのまま)
●12.マフィンなど焼き物系の食べ物(Baked goods)
ふすま入りマフィンなどは繊維質が豊富なことで「健康そう」に見えるが、カロリーや砂糖、脂肪分も豊富である場合が多い。
[代替案]マフィンの代わりに(高カロリーな)クロワッサンを食べろ、というのではない。マフィンの中にも低カロリーなものがあるから、それを探して選択を。さらにカロリー減を目指したいのなら、自分のマフィンを割って友達にあげなさい。(※原文ほぼそのまま)
●13.調味料(Seasonings)
塩分を減らすために塩そのものではなく「塩こしょう」や「ガーリックペッパー」を使うかもしれない。しかし成分を良く見ると、それらの多くにもやはり塩分が多量に含まれていることが分かる。自分が思ったより減塩効果は少ないかもしれない。
[代替案]調味料のラベルをよくチェックするクセをつける。ハーブなどを用いることで塩分をひかえめにしながら美味しくいただける調理法を学ぶ。
●14.冷菓(Frozen desserts)
アイスクリームと比べてフローズンヨーグルトはヘルシーに見えるが、実のところカロリーや脂肪は同じくらい、またはそれ以上のものを持っている。見た目だけで判断するのは危険。
[代替案]ラベルをチェックして低カロリーや低脂肪のものを選ぶ。ヨーグルトの場合は無脂肪ヨーグルトを。さらに新鮮な果物かちょっとしたジャムで味付けすればOK。
●15.乳酸系のスイーツ(Dairy treats)
バニラヨーグルトアイスやヨーグルトドリンク、シェイクも健康そうに見える。しかしカロリーや砂糖分も多く含まれていることを忘れてはならない。
[代替案]自作しよう。無脂肪のプレーン・ヨーグルトを材料に用いれば、もっとヘルシーなスイーツを作れる。
●16.甘味料(Sweeteners)
砂糖よりはちみつの方が健康そうに見えるが、栄養学的にはさほど変わらない。確かにはちみつにはミネラル分が含まれているが、例えばカップ1杯分の牛乳と同じくらいのカルシウムをはちみつから摂取するには15カップ分のはちみつ(1万5450キロカロリー)が必要になる。
[代替案]そもそもアメリカ人は砂糖を取りすぎ。1年間で平均150ポンド(68キログラム!)の砂糖を摂取している計算になる。どんな甘味料が好きにしても、その量を減らしなさい。
最後の「アメリカ人は平均して1年間に68キログラムの砂糖を摂取している(Americans are averaging about 150 pounds of sugar each year)」という表記で、最初キログラム換算した時に「1桁ミスしたか?」と思ったくらい、アメリカ人が多量に栄養分をとっているようすがうかがえる。また全般的には、「見た目やイメージで健康そうに見えるから、それを信じてしまいがち。しかし実際にはしっかりとラベルに記述されている成分表で栄養分などを確認し、その上で口にしなさい」というポリシーに基づいていることが分かる。
栄養士という資格を持つ人の言なのだから、栄養の観点では間違いがないように見えるが、いくぶん偏見も含まれているように見える(笑)。とはいえ、例えば「主成分が健康的な成分だからといってごまかされてはいけない。二番目、三番目に健康にとってマイナスとなるようなものが成分としてひそんでいて、その量が実は普通の代替食品より多い場合もありうる」「減塩調味料や食品だからといって油断していると、大した効果を得られていないかもしれない」というのは日本でも通用するお話だ。
手に取った食品を見た目や雰囲気だけでなく、ラベルに書かれた成分にまで目を通すこと。まずはこの習慣を身に付けることから始めれば、「他山の石」として彼女の言葉を有益に活かすことができるだろう。
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(最終更新:2013/08/09)
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