目指すは時価総額1000兆円・東証が中期経営計画発表
2008年03月26日 06:30
東京証券取引所グループは3月25日、2008年度から2010年度を対象とした「中期経営計画」を発表した。現物市場で現在400兆円規模の時価総額を1000兆円に拡大し、デリバティブ(金融派生商品)市場の積極的な展開をすることを柱とし、「ユニバーサル取引所」としての姿を目指していくことになる(【発表リリースページ】)。
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詳細は発表リリースにあるが概要をまとめると次の通り。
・デリバティブ市場の強化(新商品の開発、取引時間拡大、環境整備)……取引高倍増へ
・現物市場の拡大(情報提供拡大、プロ向け新市場創設、ETFを2007年度末比3倍の100に)
・排出量取引市場創設への動き
・次世代売買システムの稼動
・投資家の権利や利益の保護機能強化、公正感のある市場の構築
「ユニバーサル取引所」という表現は、ここ数年話題にのぼっていた「総合取引所」を意識したものと思われる。またリリース内では「デリバティブの強化が果たされれば全般的に国内外で取引所としての評価が高くなる」と説明されており、今後さまざまな観点からこの方面の強化に力を入れていく姿勢が見て取れる。
日本国内では金融派生商品は元々【大阪証券取引所(8697)】が強い。素材関係のETFも【金価格連動型上場投資信託(1328)】にあるように、大証に先を越される形になっている。今回の中期経営計画は、この方面にも力を入れ、大証との競争にも注力していく東証側の態度がうかがえよう。
投資家サイドとしてはETFの種類増加は素直にありがたい話。あとは投資家や株主の権利確保をしっかりと行なうための体制を整え、投資家軽視の姿勢を見せる上場企業にはスピーディーに的確な「対処」を施せる判断力と実行力を確保してほしいものだ。
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