「一家に一台」が実現可能なエコロジー除雪車
2008年02月29日 06:30
ようやく雪の季節も峠を過ぎ、雪下ろしや雪かきで手が凍るような体験をしたり腰を痛めたり、色々と危ない目にあうことも無くなった。しかし日本に四季がある限り、雪は毎年降るもの。雪かきや除雪車などには毎度毎度お世話になる。雪かきの大変さは世界共通のようで、その苦労を少しでも、しかもエコロジーに解決しようとした人がアメリカにいた。Kevin Blake氏が創り上げたのは、草刈機などから作り上げた「人力除雪車Pedal-powered Snowplow」だった(【1 world 2wheels】)。
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Pedal-powered Snowplow
元々技術者だったKevin Blake氏はかなり前(1993年)から、この「人力除雪車」のアイディアを温めていた。元々壊れて打ち捨てられていた通勤用三輪車に「除雪用の刃をつけてもいい?」と持ち主に尋ねていたという。
ただしそのまま除雪用の刃をつけただけでは、雪の重さでペダルを踏み込む事はできない。結局彼が理想的な形を設計し、素材として壊れた草刈機を手に入れるまでに8年を費やすこととなった。その8年間、彼はスコップで雪かきをするたびに「どうすれば理想的な人力除雪車ができるのだろうか」と考えていたという。そしてある日テレビ番組「Monster Garage」を見てインスピレーションがひらめき、あとは設計と工作の毎日が繰り返された。
彼の発明は【Innovate or Die】(足こぎのペダル動力で何かを創り上げるコンテスト)において賞を受け、あちこちで絶賛されている。彼は今後次のバージョンをコンピュータソフトを使って細密に計算しなおし、より効率のよいものを作ろうとしているという。
YouTubeにアップロードされているPedal-powered Snowplowのプロモーション動画。実際にどのように活躍するかがひと目で分かる。
動画などをみる限り、ぼこぼこした部分が多い場所での利用は困難なようだ。逆に平らな部分が多い芝生の庭や、ちょっとした私道など、車両が通りやすい道では十分以上に活躍するだろう。積雪量が多いとペダルすら踏み出せないが、動画にあるような10センチ前後までの降雪ならその威力を発揮すると思われる。
将来技術的な改良が施され、市販されるなりどこかの企業や自治体で採用される日も遠くない。価格もお手ごろのレベルで出来るだろうから、一家に一台エコロジー除雪車という時代も来るかもしれない。
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