具体的な記事は【著名預言者曰く「2029年までにロボットは人類と見分けがつかなくなる」!?】。この記事のまとめの部分で「博士が述べている推測は、凡人から見れば常識からかけ離れた、ありえないようなものだよな……」ということで、四文字熟語を使って表現しようとした。ところが何を勘違いしたのか、最初に入力したのは「こっけいむとう」。よくある、「間違った言い回しで覚えていた」わけである。

もちろん先に正しい漢字四文字の熟語で表記されていれば、何の問題も無く頭の中で「＝」で結びつけることができる。しかしいざ読み方から使おうとすると、勘違いした読み方が頭に思い浮かぶ。もちろん間違いなので、いくら変換してもまともな熟語にはならない。違和感もある。

ここであきらめて、もっと簡単な言い回しにするのも「しゃく」というもの。そこでダメ元で全部ひらがなで「こっけいむとう」と入力して検索してみた。

「こっけいむとう」で検索してみた(赤線部分は当方で追加)

するとどうだろう。自分と同じような勘違いをしていた人たちによる文面がいくつも表され、その中で自己解決までのくだりが書かれているものすら複数見つけることができた。自分が頭の中で思い浮かべていた四文字熟語は「こっけいむとう」ではなく「荒唐無稽(こうとうむけい)」だったわけだ。ああ恥ずかしい。

思い込みによる勘違いは、このように正しい表記を見つけることで「あ、そうか!」と頭の中のスイッチが切り替わり、正解を認識してくれる場合が多い。同じような勘違いをして正しい答えを見つけた人がインターネットの世界にいれば、検索エンジンがその解決にいたるまでのプロセスを記述した文章を記録し、間違いの読み方で検索対象として提示してくれるかもしれない。

「間違いから正解を導くプロセスをネット上に残した」場合、たいていにおいて読み方をひらがなで表記する。そこで誤変換の漢字ではなく「自分が(勘違いしてるかもな、と)思っている読み方をひらがなで検索してみる」のが、解決策を導き出す最短コースとなる。

「こっけいむとう」と「荒唐無稽」のような間違いについては、『笑う、日本語―他人(ひと)ごとではない!』でその多くを知ることができる。出版元の日本実業出版社では詳しい【目次が紹介されている】が、その目次だけでも思い当たるフシが山ほどあり、思わず「ごめんなさい」をしたくなる。

「意外」と「以外」のように同じ読み方をする漢字の誤用や、「シミュレーション」と「シュミレーション」のような読み間違い(過去の【初めて気が付く間違い何個ある? 間違えて音読していたコトバランキング】という記事や、外部サイトでは【言葉の誤用(Stars Cafe)】などが詳しい)ならば比較的容易に正しい表現を見つけることができるだろう。また、微妙に合っている部分があれば、検索エンジン側で「もしかして●×ではありませんか」とヒントすら与えてくれる。

しかし「雰囲気」を「ふいんき」と間違えて覚えていたり、今回の当方のようなミスをしていた場合には、正解を導くのは案外難しいもの。そのような時にはまず、自分が頭に思い浮かべている言い回しを全部ひらがなにして打ち込み、検索してみよう。自分のミスが他人と共有する部分があれば、きっと誰かが過去に同じような間違いをし、そして正しい答えを導いているはずだ。

後々に役に立つように、[今実施している緊急アンケート]と同じプログラムを使って「勘違いしていた言い回し」を恒久データベース化して、逐次意見を求めるというのもありかなと考えている。当方自身はもちろん、多くの人にとって役立つことだろう……もしすでに同じ考えのデータベースやサイトがあれば、是非とも教えてほしいものだ。

(最終更新:2013/09/07)