卵を割ったら新聞に載った女性の話
2008年02月17日 12:00
ケーキを作るために卵を買ったイギリスの女性が、その卵を割ったがために新聞に掲載されるという珍事件が起きた。彼女に何か問題があったわけではなく、割った卵に問題があったというのだが……。
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彼女の名前はFran Vincent嬢(54)。自家製のケーキを作るため放し飼いのニワトリから生まれた卵をスーパーマーケットで購入。自宅に戻って割ってみたところ、中から出てきたのは、白身も黄身もあったが、それよりも自己主張をしていたのが、殻付きの卵。
Fran Vincent嬢が買ってきた卵には卵が入っていましたとさ(DailyMailより)
彼女はその卵を買ってきた時に9センチ近くの大きさだったことから「アヒルの卵かもね」と思っていたという。しかし中をあけて見ると、白身と黄身の他に、もう一つ殻付の卵が入っており、びっくりしたと述べている。
販売元の話では「このような二重卵は農家で集められる段階でより分けられるため、お客の手元に届くのは非常にまれな話。若い雌鳥(めんどり)は排卵が不規則な場合もあるため、二つの卵がほぼ同時に排卵されたのだろう。そして卵巣から体外に出るまでの間に、一つ目が二つ目に追いついてしまった。その結果、殻が一方を内包する形で他方が形成され、このような卵が出来たものだと思われる」と説明している。要は、「滅多なことでは起きないが、まったくありえない話ではない。けれどもお客の手に届くのはまずほとんどない」ということ。
「卵の中にまた卵」というと、ロシアの有名なおみやげ「マトリョーシカ」が思い起こされる。その考えはイギリスでも同じようで、元記事のコメントでも「彼女は中に入っている卵を割ったの? さらに三番目の卵が入っていたんじゃない?」とジョーク交じりに聞いている人も見受けられた。
日本でも似たようなニュースは時々報じられることがある。調べた限りでは2001年に北海道の苫小牧で同じような「卵in卵」が見つかりニュースになった(【該当記事:苫小牧民報】)。やはり普通のニワトリの卵と比べてかなりビッグサイズ(9×6センチ)で、大いに驚いたという。こちらの記事では該当の卵を割った直後、中に「普通の卵」と「大きな卵の分の白身・黄身」が入った「大きな卵」の様子が明確に分かる、非常に資料価値のある写真が掲載されている。
また、【たまご博物館】によると、二重卵には外側の殻が完全なものとそうでないものがあること、卵管内で正常の卵が作られたあとに逆流した場合でも作られることがあると説明されている(【該当ページ、シート49部分】)。
一つの卵の中に黄身が二つ入っていると、得した気分になるし、縁起が良いとされている。それでは卵の中にもう一つ卵が入っていた場合はどうなのだろうか? 少なくともFran Vincent嬢にとっては、このように新聞に掲載され世界的に名を知られたという点で「非常にラッキーだった」のは間違いあるまい。
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