一人暮らしでほしい家電製品、トップはやっぱり大型が欲しいアレ

2008年02月14日 19:35

時節イメージ【エルゴ・ブレインズ(4309)】などが発表した調査結果によると、一人暮らし中及び経験者にとって、今後とほしい家電製品のトップには「テレビ」がついた。年齢層別では若年層はパソコンにもっとも人気が集まるなど、それぞれの年齢層における「一人暮らし事情」がかいま見れる結果となっている(【発表リリース】)。

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今調査は主に一人暮らしにおける「家電製品購入に関する意識調査」として行なわれたもので、調査期間は1月17日から22日、サンプル数は512人分。男女比は63.7対36.3で、年齢階層比は20代37.1%、30代33.2%、40代28.5%など。一人暮らしの期間は10年以上がもっとも多く18.9%、ついで2~3年以内15.4%など。回答者の居住エリアは関東が41.8%、近畿18.2%、九州8.2%。サンプル数がやや少なめなため、データには世間実情とのぶれが生じている可能性を考慮した上で確認する必要がある。

調査結果では「一人暮らし開始時の家電製品の購入予算」「新規購入・買い換えた家電製品」「今後ほしい家電製品」「家電製品を購入することが多い店」など興味深いデータがいくつも公開されている。今回は「今後ほしい家電製品」についてスポットライトをあててみる。

一人暮らしの「家電版三種の神器」

「今後ほしい家電製品」は、もちろん「現在使用している家電製品」とダブらないものでなければならない。誰も好き好んで一人暮らしで洗濯機や冷蔵庫を二つも三つも買う人などいない。

「現在使用している家電製品」は次の結果が出ている。

■「現在使用している家電製品」(現在一人暮らしをしている人)

・パソコン……96.2%
・冷蔵庫……95.7%
・テレビ……93.8%
・掃除機……82.0%
・炊飯器……82.0%
・全自動洗濯機……81.0%
……etc.


パソコンイメージ宿題や仕事、趣味趣向、その他さまざまな用途に使えうるパソコンは(一人暮らしの生活ではなおさら)日常生活において必要不可欠なレベルに到達しているのは(このサイトを閲覧している)読者の方々にも実体験でお分かりいただけるはず。また、世間の情報を入手したり時間をつぶすのにテレビも欠かせないし、料理はできなくとも食品を買い置きするのに冷蔵庫は必須アイテム。

自炊など家事をしない人でも、一人暮らしの生活にはこの3点は絶対に求められるものなのだろう。いわば昔の家電版「三種の神器」ではないが、現代における一人暮らし「三種の神器」とはこの「パソコン」「冷蔵庫」「テレビ」ということになる。

■一人暮らしの必需家電製品
・パソコン
・冷蔵庫
・テレビ

一方、「三種の神器」からはやや保有率が下がるが8割台をキープしているのが「掃除機」「炊飯器」「全自動洗濯機」。この3製品があれば「炊事」「洗濯」「掃除」と最低限の家事が出来ることになる。もちろん炊事や洗濯など、それぞれ炊飯器や洗濯機を使わなくともできなくはないが、現在の一人暮らしにおいてそのような家事スタイルを想像するのは多少無理がある。

例えば「テレビはないが炊飯器は持っている」というパターンもあるだろう。ひとくくりでくくるのは多少雑な考えかもしれないが「一人暮らしの9割5分は『家電の三種の神器』を持って最低限必要な電気生活を営んでいる」「約8割はそれに加えて何らかの形で家事を自分でこなしている」と見てよいのかもしれない。

ほしい家電は「テレビ」「パソコン」「映像機器」

さて本題の「一人暮らし(体験中、経験者)が今後ほしいと思っている家電製品」についてだが、全体では「テレビ」と答えた人がもっとも多く41.4%を占めていた。

■「一人暮らし(体験中、経験者)が今後ほしいと思っている家電製品」

・テレビ……41.4%
・パソコン……36.7%
・映像機器(DVDプレイヤーやHDDレコーダーなど)……33.4%
・洗濯乾燥機……19.9%
・冷蔵庫……16.2%
……etc.


■一人暮らしが今後欲しい家電
・現行家電の買い換え需要
(テレビ、パソコン)
・「一人暮らし」ならではの娯楽
(映像機器)

「テレビ」は他に「大型テレビ」の項目がないので、今あるテレビの買い換えという意味が多分に含まれているのだろう。おりしも地デジへの移行が間近に迫り、家電業界では対応大型テレビをここぞとばかりにプロモーションしている。一人暮らしではぜいたくかもしれない、いやむしろ一人暮らしだからこそ優雅に大画面で迫力ある映像を見たい、という意向や「せっかく地デジ切り替えで買い換えるのだから、この際……」という考えが働いているのだろう。

「パソコン」も現行の保有率がほぼ100%に近いため、状況は「テレビ」と同じものだと思われる。つまり「無いから買う」ではなく「あるけど買い換える」のパターン。下手をすると半年で旧型機の立場に追いやられるパソコンの世界では、他の家電製品より買い換えニーズは激しいものと思われる。

HDDレコーダーイメージ一方「映像機器(DVDプレイヤーやHDDレコーダーなど)」は先の「現在保有しているもの」上位には顔を見せていない。また製品の性質的にも娯楽の意味合いが極めて大きいのも特徴の一つ。なぜこれが選ばれたかを考えてみると、恐らくは他の家電製品を整備しおえたあと、一人暮らしの「くつろぎの時間」を過ごすには欠かせない「映像機器」が欲しくなった、というところだろう。特にHDDレコーダーの場合はテレビ番組などの撮り置きができるため、時間を有効に使えるようになる。このメリットは大きい。

上位三位について、それぞれ主要年齢層(20・30・40代)の得票率を見てみると興味深い違いが見えてくる。

■テレビ
・20代……33.6%
・30代……42.9%
・40代……51.4%

■パソコン
・20代……34.5%
・30代……37.5%

・40代……24.3%

■映像機器
・20代……22.4%
・30代……44.6%
・40代……37.8%


(大型)テレビは40代、パソコンは20・30代、映像機器は30代で得票率が高い傾向がある。これもやや強引な推測の感があるが、

・20代でまず仕事や趣味、他とのやり取りに欠かせないパソコン調達・整備
・30代に入るとくつろぎの時間を過ごすために映像機器の導入をしたくなる
・40代に入るとゆったりとした気分で映像を楽しむために大型テレビを購入しようとする


というように、年代の経過につれて生活に余裕が出てくる様子が、「今後欲しい家電製品」からみえてくる。

ちなみに「洗濯乾燥機」「掃除機」「電子レンジ」「炊飯器」なども歳をとるにつれて「購入したい家電製品」に名を連ねる結果が出ている。家事の効率化を求めたいという現われだろうか。


趣味のため、あるいは家事には欠かせない道具、いずれにしても家電製品は「人の行動を手助けする」「普段は出来ないことをできるようにする」という性質の製品に他ならない。使用している、または欲しい家電製品からは、その人が「今重視したい、していること」や「今後やってみたい、やらねばならないと考えていること」など、人の願望が見え隠れしているのが分かる。

例えば料理は出来合い物で良いと考えているのなら、炊飯器は必要ない。炊飯器が欲しいという人は、何らかの形で「自炊をしたい」という思いを持っていることになる。特に一人暮らしの場合は、家電製品に自分の補助を直接してもらうことになるのだから、その意味合いは大きい。

その観点を頭に入れた上で、上記のランキングや元資料の詳細データを見ると、色々と面白い「一人暮らし事情」が見えてくるだろう。

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