「この額では過小評価だ」ヤフー、マイクロソフトの買収提案を正式に拒否
2008年02月12日 06:30
アメリカのヤフーは2月11日、マイクロソフトから受けていた買収提案を拒否すると正式に発表した。今回の買収条件ではヤフーとその株主にとって、最大の利益にはなりえないと取締役会において意見が一致したとのこと(the proposal is not in the best interests of Yahoo! and our stockholders.)(【発表リリース】)。
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リリースによればマイクロソフトからの提案を受け、経営担当、財務担当、法律の専門家を交えて開かれた臨時取締役会で検討したが、今回の条件ではヤフー自身とその株主にとっては最大の利益は得られないと判断したという。
【マイクロソフト、アメリカのヤフーに「正式に」買収提案~446億ドル(約4兆7000億円)で】にもあるようにマイクロソフト側は1月31日に、ヤフー株式1株あたり31ドル相当でマイクロソフト株式と交換、あるいは買取を提案。買収総額は446億ドルに及んでいた。この31ドルという値は、1月31日のヤフー株式の終値19ドル18セントに対し61.9%にプレミアがつく計算。
リリースによればヤフーでは慎重に自社を再評価したところ、ヤフーの国際的なブランドやぼう大な利用者、広告関連への投資とその将来性、手持ちの現金や将来の収益性などを踏まえると、「かなり過小評価されている(substantially undervalues)」と判断した。そして取締役会では常に株主の利益を最大限にするよう、ありとあらゆる戦略・可能性を検討中であると表明している。
今回ヤフーが正式にマイクロソフトからの買収提案に対し反対の意志を表明したことで、マイクロソフト側は「素直に買収提案を引き下げる」「買収価格を引き上げる(例えば35ドルや40ドル)」「ヤフーの株主に支持を訴えるべくアピールを行い、敵対的買収に乗り出す」などの選択を迫られたことになる。
なおマイクロソフト側では2月3日に【ヤフーとマイクロソフトが手を結ぶことがいかに有意義か】を語ったリリースが最新のもので、ヤフーの正式反対意思表明について具体的な反応は見せていない。またイギリスの【Times紙】は11日、ヤフーがマイクロソフトからの買収提案に対して防衛する目的で、タイム・ワーナー傘下のAOL部門との合併交渉を再開することを目指しているのではないかと報じている。さらにグーグルやディズニーなどとの提携も検討しているとのこと(ただし同記事ではソースは明らかにされておらず、記者独自の推測の可能性もある)。
検索エンジン、さらにはインターネット業界そのものを大きく騒がせた二社の買収騒動は、どうやらセカンドステージに突入したようである。マイクロソフトがどのような反応を見せるのか、ヤフーが今回の「反対表明」に続きどのような行動を取るのか、注目したいところだ。
(最終更新:2013/08/13)
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