義理チョコが数・金額共に大幅プラス、その意味は……!?
2008年02月07日 12:00
主にキャリアウーマンをターゲットにした品揃えが豊富で、人気ブランドのファッションやスイーツなどでも名を知られている【銀座プランタンのウェブサイト】では、バレンタインデーをひかえた女性の意識調査結果を発表した。それによると「本命」「義理」「自分用」すべてのチョコにおいて予算が昨年度よりアップし、義理チョコですら1個あたりの予算が1000円台に突入したことが明らかになった(【発表ページ】)。
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●義理チョコの単価、はじめて1000円を突破
今調査はプランタン銀座のメルマガ会員のうち女性に対して1月7日から10日にかけて行なわれたもので、回答者は448人。年齢層は18~65歳で平均年齢は33.8歳。独身対既婚の比率は54対46。
今アンケートでは「チョコの予算」「購入のポイント」「義理チョコを贈る相手」「本命チョコについて」と大きく4項目にわけて問いが行なわれている。そもそも論として「バレンタイン用のチョコを用意するか」という問いには次のような回答が出ている。
・本命……66%(70%)
・義理……63%(57%)
・自分……41%(80%)
※()は去年のデータ
昨年比で唯一「義理チョコ」だけが増加しているのが分かる。一方で「自分チョコ」はほぼ半減と大幅にその数を減らしている。
本来あるべき姿に
戻りつつある?
レポートにもあるが、バレンタインデーにおけるチョコレートの役割が「自分も他人も楽しめるチョコレートの祭典用の食品」という考え方から「誰かに気持ちと共に贈り物を手渡すイベントにおけるキーギフト」に変わってきたのではないかと思われる。そのような推測ならば後で述べる「世話チョコ」や「友(達)チョコ」という言葉が提案され、使われるようになったのも納得がいくというもの。
さて気になるそれぞれのチョコに対する予算だが、本命は約3000円、自分は約2700円、義理は約1000円と、すべてのカテゴリにおいて1000円を超える結果となった。義理チョコが1000円を超えたのは調査以来はじめてのことだという。
・本命……3050円(2986円)
・義理……1029円(852円)
・自分……2698円(2592円)
※()は去年のデータ
ちなみに義理チョコの数は昨年が平均6.3個だったのに対し、今年は7.8個とこれもまた増えている(中には100個もの義理チョコを用意した人がいるそうな)。
●純粋な気持ちを伝えるための「バレンタインデー」に
もちろんこれらのデータは、高級デパート・プランタン銀座のメルマガ会員を対象にしたもの。世間一般の平均と比べてやや高めの数字が出ているのかもしれない。だがそれを差し引いても、「バレンタインデーにのぞむ世の女性が、義理(など本命・自分以外の)チョコに去年以上に気合を入れている」というのが分かる。何しろ自分向けの予算を減らしてまで義理チョコを増やしている、と考えることも出来るのだから。
先に【義理・本命に続く第三の「世話チョコ」とは?】で紹介した考え方「世話チョコ」や、最近同じく新しい言葉として用いられるようになった「友(達)チョコ」は質問項目上にないが、「自分チョコ」や「義理チョコ」にある程度かぶる形で含まれているのだろう。その観点で「義理チョコ」の定義が幅広いものになりつつあると考えれば、今回「義理チョコ」のみ突出した結果が出たのもおかしな話ではない。
他人との交流の機会が少なくなり、また世間の中における自分自身の立ち位置に「寂しさ」を感じる人が増える昨今において、「バレンタインデー」というイベントを良い機会とし、他の人とのつながりを求めたい。恋愛だの義理だのを超えた、素直な気持ちを相手に伝えたい、そのような想いが「自分」ではなく「他人」に向けたチョコの額・数に表れているのだろう。
●もう一つの考え方・投資活動的な観点でバレンタインチョコの傾向を分析する
……というのがオーソドックスな分析。もう一つ、ちょっとうがった考え方をしてみる。先の「世話チョコ」でも触れたが、「バレンタインデーの贈り物は三倍返し」という言葉が広く伝えられている。これは「バレンタインデーにチョコをもらったら、その三倍の価値のものを女性にホワイトデーでプレゼントしないと失礼ですよ」というもの。業界の差し金かどうかは知らないが、それこそ財布の中身を気にする男性陣や、純粋な気持ちのやり取りをしたい男女に失礼な話である。
これを固く信じている・期待している女性陣の中には、「義理チョコ」を投資活動と見ているのかもしれない。つまり一か月後のホワイトデーには三倍のリターンが来るであろうことを期待し、「義理チョコ」を投資するわけだ。何というハイリターンなスイング・トレード(笑)。
その観点で考えれば、「義理チョコ」の数が増え、1個当たりの金額が増加したのは、「投資銘柄対象」を増やしてリスクヘッジをすると共に、「投資額も増加」させて投資活動そのものを活発化させているということになる。「自分チョコ」を減らしたのは、自分に投資しても食べた時点での満足感と、体重の増加しかリターンが無いため。それよりは300%以上ものハイリターンが期待できる投資対象に投資した方が良い、と踏んだ人が増えているのだろう。
夢も希望もあったものではないが、案外こちらの方が正解なのかもしれない。
(最終更新:2013/08/30)
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