【更新】実生活が何倍も有意義になる料理スキル「弁当箱」と「使いまわし」

2008年02月04日 06:30

料理イメージ当方(不破)のように一人暮らしをしている人にとって、食事は日常生活に欠かせない、しかも健康などにも関わる重要な問題。他人(親や配偶者)に料理を任せるわけにはいかないのだから、自分で調達するか自炊をするしかない。健康のためには自炊をするにこしたことはないのだが、「どうも栄養のバランスがとれなくて」「食べ過ぎてかえって不健康かも」と頭を抱えている人も多いはず。そんな人たちにヒントを与えてくれるかもしれない記事が[毎日.jp]に掲載されていた。タイトルは「1人の自炊:決め手は「弁当箱」「使い回し」」。

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元記事では高齢者に対する食生活の調査をしたところバランスよく適量を食べている人は少なく、「1日30品目以上食べようとする人は「食べ過ぎ」傾向」「食に関心のない人は「低栄養」傾向」の2極化が進んでいたという。ちなみに「1日30品目」とは毎日これくらいの色々な食材を口にすれば体に良いですよ、という一つの指針。

お弁当で適量チェック・料理法もバランスよく

これらの問題を解決するには「自分にマッチした食事量を簡単に把握できるような工夫」が必要。そこで提案されているのが「マイ弁当箱」。自分に必要なエネルギー量を求めた上で3等分し、そのカロリーに応じた大きさの「マイ弁当」を選ぶ。そして半分にご飯、残りの半分をおかず(主菜1/3、副菜2/3)を詰めると、適量でバランスのよい食事になる。

料理イメージポイントは「同じ調理法のものは組み合わせない」こと。例えば食材的にバランスが取れているからといってから揚げに野菜の天ぷら、カキフライではすべて油の揚げ物となるので×。から揚げを主菜にしたら副菜には油ものではなく酢の物やおひたしなどにする(むしろ「同じ調理法」ではなく「油っぽいものばかりにしない」と考えた方が分かりやすいかも)。

この方法は高齢者に限らず、すべての人に使える「技」だろう。ご飯茶碗の大きさを変えるだけで、食事全体の量をうまく調整できるのは多くの人がご存知のはず。小さなご飯茶碗でなく丼タイプの茶碗でご飯を盛ると、ついつい食べ過ぎてしまう。目の前に出された食器に詰められた食事を食べ終えると、実際の量とは別に「食べ切った」という満足感が得られ、お腹が一杯になったという錯覚を受ける効果もある。

料理を作るコツは「段取り力」

「でも自炊って面倒くさいから、ついつい簡単なものとかインスタントにしちゃうんだよね」という意見は多いはず。そんな意見への回答も元記事では寄せられている。問題解消法のキーワードは「段取り力」。

グリルやコンロ、電子レンジを同時に使ったり、野菜や煮物など時間がかかる下ごしらえをあらかじめ作っておくことで、料理の時間は大幅に短縮できる。つまり「時間を無駄にしない段取りが自然にできるよう、さまざまな工夫をすること」こそが「段取り力」なのだという。

例えば電子レンジで煮物を作る場合、出来上がるまでの数十分間をじっと電子レンジを眺めているだけですごすのは「段取り力」のない証拠。待っている間に、次の電子レンジを用いる料理の素材をすべて切って盛り付け、すぐに入れ替えることができるようにしたり、コンロを使って炒め物やおひたしを作ることが出来る。

作成工程で生じるさまざまな「ちょっとした空き時間」をいかにうまく活用し、別の作業を埋め込んで効率的に時間を使いこなすか。それが料理を作るコツでもあり、積極的に考えながら料理をすることで得られる技術でもある。

料理の「適量・バランスチェック」と「段取り力」スキルで得られる新しい自分

「段取り力」とも表現できる「ちょっとした空き時間」をうまく活用する技術、すなわち「スキマを埋めるスキル」を料理を続けることで習得することができる。この点で思い浮かばれるのが『あなたの年収を3倍にする料理のパワー 「仕事のスキル」「潜在能力」が開発される究極の自分磨きツール』という本。タイトルだけでほぼどのような内容かお分かりだろうが、要は「料理をすることでマネジメント力(=段取り力)や問題解決能力が鍛錬され、潜在能力が開発される」というもの。

上記の高齢者向け(元記事では「高齢者向け」だが実際にはすべての一人暮らしで自炊をしなければならない人たち向け)元記事で語られた、「体に良い自炊生活へのテクニック・ノウハウ」は気をつけながら料理を重ねることで習得されていくが、それらの技術が料理に限らずすべての生活面において活かされるという自論を説いた一冊。

料理をすればすべてがかなう、というのはやや過大な表現かもしれない。しかし上記の料理に関する「コツ」は他の面に活かせることが多いのも事実。「お弁当箱」で料理の分量を適量化するという話は、投資には「自分の能力や資金力にあった1銘柄・1回購入あたりの投資上限額を定める」という手法に役立てることができる。お金のやりくりにしても、毎月「食費はこの袋に、娯楽費はこの袋へ」といった、主要項目毎に袋分けしてその中の金額でやりくりするという節約法に活用可能。

「段取り力」も習得できれば、社会生活一般においても時間を無駄にしない過ごし方が出来る。時間を無駄にしなければ、今までより多くのことをこなせ、体験できるようになる。仕事にしてもしかり。


ややこじ付けな部分もあるが、料理を自分の手で行なうことで「適量・バランスチェック」「段取り力」が鍛錬でき、習得できるという点は見逃すことはできまい。個人的な経験談としても【レシピ雑記帳】作成作業の過程で記録をしながら料理を作る機会が増えて以降、以前と比べて「この時間が空いているからその間にこれをやって行なう」という、テトリス的な「時間穴埋め」の考え方が身につきつつあるような気がする(もっとも、元々トロいタチであることや怠けグセもあるため、身についた考え方も有益に活かせない状態なのも否定できないが(笑))。

確かに自炊の料理は外食やインスタント、出来合いモノと比べれば時間も手間もかかる。スキルにもよるが失敗も多いだろう。しかし繰り返し行なうことで料理の腕・経験だけでなく、実生活にも活かせる技術が習得できるのなら、決して損な話ではない。自炊をしなければならない人は、まずは「弁当箱」と「使いまわし」からはじめてみてはいかがだろうか。


(最終更新:2013/09/08)

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