「ローンがおりない」人のために・三つの改善ポイント

2008年02月04日 06:30

ローンイメージくだんの「サブプライムローン問題」にはじまり最近ではモーゲージローン(不動産担保ローン)全般、そしてそれらを保険的に保証していたモノライン(金融保証専門会社)問題など、金融関係に関する信用・信頼が注目を集めている。それに関連してアメリカ国内では「新規にローンを設定できない」という人が増えているという。【USA TODAY】では先日「Here's how you can shape up your credit score」というタイトルのもと、そういった人のために「どうすればローン会社から信用を得てローンを設定してもらえるのか」というアドバイスが掲載されていた。そのまま通用しない部分を省けば、ローンの借り受けという点では日本でも役立ちそうな話が多いので、ここで概要だけでもまとめてみることにしよう。

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サブプライムローン問題は、一言でまとめれば「甘い信用保証がもたらした人為的金融危機」ともいえる。その反動からアメリカではこれまでの「ざる的なチェック」が改められ、新規の貸し出しに厳しいチェックが入るようになりつつある。貸し手の立場から考えれば、リスクをできるだけ低く抑えようというわけだ(実際に債務不履行の案件も増えている)。さらにFRB(連邦準備理事会)の金利引下げにより利幅が低くなったため、慎重さに拍車をかけることになった。

しかし元々ローンでお金を借りて大量消費をするのが国是(!)ともいえるアメリカの消費者からすれば、これは非常に大きな痛手。元記事では自分のクレジット・ローンにおける「信用保証度」(さまざまなデータから各自に割り当てられている返済上限やリスクなどを数字化したもの)を構成するデータについて調査会社に依頼して間違いがないか確認した上で、有料サービスで自分の「信用保証度」そのものをチェックするよう勧めている。そして自分の「立ち位置」を確認した後、その度合を高める(=ローンの審査がおりやすくなる)努力をする必要がある、と述べている。

具体的には次の通り。

1.手元の請求書の支払いを終えなさい
 信用保証度に大きく影響する。アメリカでは7年記録に残る。昔の失態より直近の改善に注目する傾向があるので、昔にローンでヘマをやらかしても、今の分をきちんと整理すれば良く見てもらえる。

2.負債を減らしなさい
 負債額があまりに大きいと信用保証度と保証額は下がる。仮に1万ドルの上限枠があり、すでに5000ドルの借り入れをしていたら、「負債額による信用保証度」は50%に減る。

3.新たにクレジット・ローンの口座を開かないように
 ある会社で借り受けが出来なかった場合、「別の会社なら可能かも」と他の会社で口座を開く人もいるだろう。しかし口座開設申し込みを受けた会社では、その個人の過去・現在における借り受け総額のチェックをローンの協会にすることになる。企業からの問い合わせが多い場合、「あちこちを渡り歩いて借り受けしてるのかな?」と判断され、信用保証度は下がってしまう(本人が問い合わせる分は問題無し)。


ナニワ金融道イメージ日本では大きく異なる点については省いたが、大体において日本でも通用しそうな話ではある。例えば3番目の「新たにクレジット・ローンの口座を開かないように」は消費者金融関連の漫画を語る際には欠かすことが出来ない『ナニワ金融道』でも詳細な描写が行なわれていたので、ご存知の人も多いだろう(借り入れのはしごをした登場人物が、件数を重ねる毎にだんだんと自分の借り入れ上限が減っていく。本人は不思議に思うのだが、彼が渡り歩くたびに借り入れ金額などがデータとして全業者に伝えられ、返済できるかどうかの判断が下されるので、次第に借入額は減ってしまうという仕組み)。

アメリカにしても日本にしても(そもそも論になってしまうのだが)自分の支払い能力を超えた買い物や借り入れをする時点で、そのローンは破たんしている点では変わりはない。上記の3ポイントも、「そんなことができるのならローンで買い物などしないよ」というツッコミを覚悟の上で、「昔のような甘い査定はないのだから、無茶な借り入れは出来ない。だから自分の支払能力を超えるような借り入れはしないように」という注意の裏返しをしているとも受け止められよう。

一番良いのは「自分の手が届かない範囲のことは、無茶なことと認識する」。勉強や仕事など、努力や苦労で伸びうることは手が届きそうにないことにチャレンジするのもありだが、お金については別問題。仮にうまく行けばよいが、ヘマをすれば取り返しのつかないことになってしまう。

消費者金融のコマーシャルでは最近、繰り返し「ご利用は計画的に」という言い回しが使われている。上記で語られているローンに関する「信用保証度」向上のテクニックも、突き詰めていえばこの言い回しに「出来ることなら使わずに。もし使わねばならないとしても、」をプラスすることになるのだろう。


(最終更新:2013/09/08)

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