NESTAGE(7633)、DESと株式交換で筆頭株主の完全子会社化・上場廃止へ

2008年02月10日 12:00

株式イメージゲーム販売店の明響社・アクトを傘下に持ち、先日【ゲームポータルGlepに継承候補複数登場・ひとまず廃止は延期へ】でもお伝えしたようにゲームポータルサイトGlep(ジーレップ)の事業譲渡を検討中の【NESTAGE(7633)】は2月8日、財務基盤の強化を図るためDES(デット・エクイティ・スワップ)方式による新株発行を行なうと発表した(【発表リリース、PDF】)。これなどにより同社は筆頭株主のジェイオーグループホールディングス(JOGHD)の完全子会社となり、上場廃止となる。

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DES(デット・エクイティ・スワップ、Debt Equity Swap)とは債務を株式化する方式のことを指す。要はデッド(債務)とエクイティ(資本)をスワップ(交換)するということ。債務が多かったり財政的に破綻しかけている企業を債務化する、あるいは逆の立場から「債権という現物出資」で株式を取得することで、債務超過(あるいはそれに近い)状況を解消させ、有利子負債を減らす・無くす企業再生方法の一つ。

NESTAGEでは現在にいたるまで事業再編などを行なってきたが【2007年9月期決算短信(PDF)】にもあるように最新財務データによると、純資産が1億1500万円にまで減少(1株あたり資産は4.24円)、「継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況」となっていた。そこで今回JOGHDに対してDESを行いさらに株式交換を通じて同社の完全子会社化を実施、抜本的な財務体質の改善を図ることになった。

今回NESTAGEが行なうDESは、現在33.19%の株式を保有し筆頭株主であるJOGHDへのもので、借り入れている10億9998万8000円に対し、1株23.5円で新株2340万4000株を発行するというもの。この全株をJOGHDに割り当てる。これによりJOGHDは63.99%の株式を保有することになる。

さらに7月1日付けでJOGHD保有以外の株式について、NESTAGE株1株に対しJOGHD株0.032株を割り当て、NESTAGEをJOGHDの完全子会社化する。なおこの完全子会社化により、6月25日付けでNESTAGEは上場廃止となる。

DESは非上場企業の再生方法として、特にアメリカにおいて使われる手法。上場企業でも最近では【オリコ(8585)】が2007年に行なっている(【発表リリース、PDF】)。債務の額によっては希薄化が激しいため既存株主からは敬遠されることも多いDESではあるが、企業の財務体質改善・再生のための「最後の切り札」として用いるのならば仕方の無い面もある。

DESの実行と株式交換による完全子会社化・上場廃止の道を選んだNESTAGE。業界そのものも厳しい状況にあることは違いないが、再生を実現し、再上場を果たしてほしいものである。

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