日本初の空中給油機KC-767、岐阜基地に到着

2008年02月21日 08:00

KC-767イメージボーイング社は2月19日、航空自衛隊及び【伊藤忠商事(8001)】に対し、航空自衛隊としては初めてとなる空中給油機のボーイングKC-767を送り出したことを発表した。同機は日本時間の2月20日午前、岐阜県内にある各務原市の航空自衛隊・岐阜基地に到着した。同機は今後【川崎重工業(7012)】の工場で整備され、2月29日にも航空自衛隊に引き渡されることになる(【発表リリース】)。

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KC-767

KC-767

KC-767
ボーイング社のリリースで公開されているプレス向け画像によるKC-767。一番下は実際に空中給油を行なっている様子。

空中給油機は飛行中の航空機にホースを伸ばして直接給油を行なうための機体で、いわば「空飛ぶタンカー」。同機を上手に運用することで、航空機の航続距離(=滞空時間)を引き伸ばすことができ、運用能力を飛躍的に高めることができる。各国空軍で導入されているが、日本では一部反対派による「日本に侵攻能力を付加することになる」という意見から、これまで採用が繰り延べされていた。

今回到着したKC-767は、ボーイング767-200型機をプラットフォームとして、ボーイングの最新空中給油ブームと遠隔給油操作ステーション(RARO:Remote Aerial Refueling Operator)IIシステムを装備している。また、単に空中給油を行なうだけでなく海外派遣用の輸送機としての役割を果たす。

航空自衛隊ではあわせて4機のKC-767を発注済で、来年春から愛知県の航空自衛隊小牧基地で運用が始まる予定。航空自衛隊の空中給油機担当ウィチタ駐在官である永友賢治3等空佐はボーイング社のリリースにおいて「KC-767型機の初飛行が成功したことで、日本の戦略的防衛方針の実現に向けて大きく前進しました。空中給油と輸送の両面で優れた性能を有するKC-767型機は、自然災害時での人道支援などでも大きく貢献してくれるはずです。2007年の導入を今から楽しみにしています」とコメントしている。

今後、すでに空中給油機を縦横無尽に活用している各国空軍の運用状況を参考にしながら、いかに効率よく活用するかというノウハウの蓄積が行われることだろう。同時に他国に自衛隊員が派遣されたり、他国での有事の際に日本人を緊急に脱出させる際にも、同機の姿を見つけることができるかもしれない。

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