IHI(7013)、初の「特設注意市場銘柄」指定へ
2008年02月09日 12:00
東京証券取引所は2月8日、【IHI(7013)】と【三洋電機(6764)】の監理銘柄(審査中)指定を解除すると共に、改善報告書の要求を両社に行なった。また三洋電機に対しては注意勧告を行なうと共に、IHIに対しては特設注意銘柄の第一号に指定した。IHIは2月9日本日付で特設注意市場銘柄に移行する(【特設注意市場銘柄指定リリース】)。東証ではIHIが特設注意銘柄に指定されたのに伴い、【特設注意市場銘柄のページ】を新設している。
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「特設注意市場銘柄」とは【東証、「特設注意市場」正式に制度化】でも説明しているが、「上場廃止にはならなかったものの問題を抱えており、通常の上場企業よりも厳しい監視体制におかれる」銘柄のことを指す。2007年11月1日にこの制度が発足したが、適用は今回が初めて。今回、三洋電機とIHI両社とも決算の修正などで大きな問題を抱え監理銘柄(審査中)に指定。特設注意市場銘柄に指定されるかどうかに注目が集まっていた。
ほぼ同時期に監理銘柄(審査中)に指定され、片方が特設注意市場銘柄指定、片方が注意勧告に留まる(+両社とも改善報告書の提示が求められている)結果になったことについて東証側では「どちらの対応の方が重いということはないが、IHIは内部管理体制の改善の必要性が高いと判断した」と一部報道では伝えている。
今回初の特設注意市場銘柄指定を受けたことについてIHI側では同日【プレスリリース(PDF)】の中で、
「市場の信頼を傷つけ、東証よりこのような処分を受けたことを厳粛かつ真摯に受け止めております。当社グループは、信頼回復に向け、コーポレートガバナンスの更なる強化にグループ役職員が一丸となって尽力していく所存です。当社は、先に設置した社内調査委員会および社外調査委員会からの提言を受け、再発防止策について鋭意検討を行なっており、その内容については取締役会の決議を経て別途速やかにお知らせしたいと存じます。株主の皆様、投資家の皆様、お客さまをはじめとする関係者の方々に対して、多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことを、あらためてお詫び申しあげます」
として謝罪すると共に、指定を受けた案件について全力で対処していくことを明らかにしている。
IHIは厳しい監視体制のもと、上場廃止に対し三年間の執行猶予が与えられたことになる。「更生の機会」は年に一度しかないが、精一杯努力をし、一度目のチェックで無事にクリアし、元の市場に戻ってほしい。そして「初の特設注意市場銘柄指定」の汚名を「初の特設注意市場銘柄解除」「初の特設注意市場銘柄で初の解除後、業績と株価急上昇の銘柄」で晴らしてほしいものである。
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(最終更新:2013/08/13)
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