リリースによると今回の完全子会社化は、市場競争の激化や原材料の高騰で環境が激変する中で、関係の強化や資本業務提携のスピードアップを図るには、キッコーマンによる紀文フードケミファの完全子会社化が適切であると判断してのもの。

なおリリース上では「経営を一体化し、共同開発などにとどまらず、両社の持つ経営資源を迅速且つ効率的に投入できる体制をもって両社の持つ飲料事業等の機能強化を図る」とある。完全子会社化後は生産拠点の相互活用、物流業務の効率化などさらなる合理化が図られる可能性が高い。

ちなみに主要事業の豆乳が原材料費の高騰や豆乳ブームが去ったこともあり、紀文の株価は低迷を続け2月26日の終値は727円をつけている。キッコーマン側も状況は似たようなもので(しょう油そのものは売行き云々は問題ないが原材料費がかさんでいる)、株価も1218円とやや低空飛行中。交換比率は株式交換契約締結の3月19日までに決定する予定だが、双方の株主には気になるところだろう。

なおキッコーマンでは同日、昨年末から健康上の理由により社長業務を代行していた代表取締役専務執行役員の染谷光男氏が正式に代表取締役社長COOに就任し、病気療養中とされる牛久崇司氏が取締役に退くこともあわせて発表している(【発表リリース、PDF】)。