1銘柄でジャスダック全体の6割強・出来高1億株突破でイチヤ(9968)に売買規制発動
2008年02月28日 08:00
ジャスダックは2月27日、同日の売買高が1億株を超えたとして衣料品事業などを展開する【イチヤ(9968)】に対し、原則的に証券会社の自己売買を禁止する措置を発令した(【発表リリース、PDF】)。特定銘柄への売買集中を避けるため。
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イチヤの2月27日の出来高は1億6336万8992株。発行済み株式数と比べれば約13.7%程度に過ぎないが、当日のジャスダック市場全体の出来高である2億5453万9000株に比して約64.1%と過半数に達している。イチヤ株式自身に何か売買が集中するような材料は出ておらず、株価が1ケタ台・単元株数1株と売買しやすいことなどから、値動きの軽さに注目が集まっての結果だと思われる。イチヤの売買により底上げされたジャスダック市場全体の出来高は、ライブドア・マネックスショック直後の2006年1月18日以来の高水準。
2008年2月27日のイチヤの値動きと出来高
このような事態を受けてジャスダックでは28日の取引において、原則的に証券会社の自己売買を禁止する措置を行なうと発表。本日28日の売買高が1億株を下回れば規制は解除されるが、さらに本日も1億株を超えた場合、二次措置として信用取引での新規売買禁止措置や買付代金(現金)の即日徴収措置を実施する。要は信用取引によるレバレッジを用いた取引ができなくなる。
今回の措置は2006年1月に、やはりイチヤに実施して以来のものとなる。同銘柄は前日終値6円から9円へと大きく値上がりしたことでも、投資家の注目を集めている。またこれを受けてか、27日は低位株全体の取引が活性化した。単なる偶然以外に、投機資金そのものの投入先をカバーするだけの材料が、値がさ株などに出ていないのも一因のようだ。東証一部でも連続してストップ安銘柄が連発するなど、値動きが荒くなる状況にある昨今。市場の投資(投機)エネルギーは過熱気味・欲求不満気味なのかもしれない。
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