【更新】1月度の外食産業の売上は前年同月比でプラス0.8%・悪天候で売上伸びず
2008年02月26日 08:00
日本フードサービス協会は2月25日、協会会員会社を対象とした外食産業の市場動向調査における2008年1月度の調査結果を発表した。それによると総合売り上げは前年同月比でプラス0.8%となり、これまでのペースと比べると小さな伸びに留まったことが明らかになった。気温が低く寒い日が多かったため客足が遠のき、これが売上高の伸び悩みにも大きく影響した([発表リリース])。
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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われたもので、対象数は事業者数が151、店舗数は27845店舗(既存店はそれぞれ148、23920)。年が変わったために先月より事業者数は大幅に増加しているが、店舗数は減っている。
全業態すべてを合わせた1月度売り上げ状況は、前年同月比で100.8%と前年同月を0.8%上回り、かろうじてプラスを示している。業態別では相変わらずファストフードが堅調で全体では店舗数が昨年比でやや減少しているものの、客数・客単価の増加が総売上を大きく押し上げている。特に先月同様冬場に強いめん類の客数の伸びが顕著。しかしそのほかの部門の伸び率ではファミリーレストランの和風スタイルの店が何とかプラスを確保できたものの、そのほかは総じてマイナス。客単価の変化は先月と同じく全体で0.9%のプラスと前年同月比で上回っている。そして客数も「全体では」プラスマイナスゼロだったため、最終的な売上高をどうにか前年同月比プラスに押し上げることができた。
「お天道様にはかなわない」の言葉にあるように、天候不順がファミリーレストランやパブなどの軟調さに大きな影響を与え、ファーストフードの伸びを低いものに押し留めたようだ。
全店データ(既存店、新店合わせて)
気になるのは既存店データにおける傾向。上記には記載されていないが、既存店だけのデータではファストフード中めん類は売上高97.9%、客数97.5%、客単価100.3%と先月同様に軟調な数値。しかし全体(既存店+新装店)ではファストフード内の他の項目の中でもハイクラスの高い伸びを示している。引き算で考えてみると、ここ一年の間に新築されためん類のお店が非常によく頑張っていることが分かる……というのが先月の分析だが、二か月連続して同じような状況が続くと「新装開店を繰り返して全体の売上を引き上げる」という、よく言えば新陳代謝が激しい、考え方を変えると「自転車操業的に無理をしていませんか?」という状況も考えられる。
業績悪化止まらず
2.新規参入のめん類店が
健闘中
3.悪天候や食品値上げが
客数伸び悩みに影響?
1月は12月とはうって変わって天候不順に悩まされる形となったが、それ以上に問題視されているのがお客全体に対する心理的な影響。リリースでも言及されているように、相次ぐ食の不祥事や食品などの値上げ報道と実施が、外食に対する心理的なマイナス要因になっているのではないかとする説もある。それでもキャンペーンやセットメニューの積極的導入で売上を伸ばしている企業も多い。厳しい外部環境の中で、今まで以上の努力が各企業には求められそうだ。
(最終更新:2013/08/11)
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