患者1000人突破・はしかが今年も大流行の兆し
2008年02月13日 06:30
NHKなど各報道が伝えているように、去年春先からゴールデンウィークにかけて大流行した「はしか(麻疹・ましん)」が今年も流行の兆しを見せている。国立感染症研究所の【はしか専門ページ】のデータによれば、今年に入ってから2月3日までの5週間ですでに1164人もの患者が報告されている。関東地域を中心に広まる傾向を見せており、関係各機関では注意を呼びかけている。
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「はしか」とはパラミクソウイルス科に属する麻疹ウイルスによる病症で、主に子どもから成年がかかりやすい。発熱など風邪のような症状が出たのち、高温と赤い発疹が出現。肺炎などの複合症を引き起こす場合もある。感染力が非常に強いことで知られているが、予防接種が有効。
政府では2012年までに「はしか」を排除(95%以上の国民に予防接種を実施し感染を防ぐと共に、発生数の完全な把握を行なう)する「麻疹排除計画」を策定している。
国立感染症研究所の【最新データ(PDF)】によれば、1月第5週にはしか患者は急増し、さらなる増加の傾向を見せている。
今年に入ってからのはしか患者報告数(毎週)
■今年に入ってからの累計はしか患者報告数……計1164人
・神奈川県……436人
・福岡県……176人
・北海道……118人
・秋田県……97人
・東京都……97人
(他に関東地区では千葉県23人、埼玉県22人)
去年大規模に報じられたことでご存知の人も多いと思うが、去年からはしかは幼児だけでなく10~20代の若年層にも多く発症するようになっている。本来麻疹についてはワクチンを接種している人がほぼすべてのはずであるが、これらの年齢層についてはワクチンの副作用が問題となった関係で予防接種を受けなかった人、あるいは予防接種を受けたが免疫力が落ちてしまい、発症してしまう可能性が高い。
麻疹に対する特効薬的な治療法は存在せず、個人ベースでの発症に対する確実で有効な予防方法は麻疹ワクチンの摂取しかない。国立感染症研究所でも「今年も去年と同じような大流行になる可能性が高い」と警告すると共に、ワクチン接種を勧めている。
昨年は全国各地の大学や高校が「はしか」流行で休講するなど大きな社会問題に発生した。今年も同様の状況になる可能性が高い。現段階でワクチン接種などについて心当たりのある人は手を打っておいた方が良いだろう。
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