ブログや掲示板、オンライントレードで携帯大活躍
2008年01月27日 12:00
日経リサーチデータシグナルは1月24日、パソコンと携帯電話の利用傾向に関する調査結果を発表した。それによるとほぼすべての用途においてパソコンのアクセスの方が多いものの、ブログや掲示板、オンライントレードにおいては携帯電話がパソコンに肉薄していることが明らかになった。「いつでもどこでも」「気軽に」という携帯電話によるネットアクセスの利点が活かせる分野で、携帯電話のニーズと利用頻度が高まっているようだ(【発表リリース】)。
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今調査は2007年11月15日から20日までの間、16歳から69歳までの一般男女を対象にネットで行なわれたもので、有効回収数は5242人分。男女比・年齢構成比は明らかにされていない。
●掲示板などの双方向対話やオンライントレードで携帯電話が躍進
ここ一か月の間にパソコン・携帯電話それぞれについてどのような用途でインターネットを用いたかについてたずねたところ、全体的には「パソコンから」が「携帯から」を大きく上回る結果となった。
パソコン・携帯電話のここ一か月におけるインターネット利用用途
もっとも利用割合が多いのは「文字ニュースの閲覧」。当方のサイトを今閲覧している読者の皆様もまさにこの用途で用いていることになる。具体的な数字としてはパソコンが実に74.4%、携帯電話が54.0%。20ポイント以上もの開きがある。
双方向性ツールは携帯向き
(「いつでも気軽に」が役立つ)
・即断即実行が必要な
オンライントレードも
携帯不可欠の時代へ
しかしその一方、図の赤四角で囲っている項目、すなわち「掲示板、ブログ、SNSの閲覧」「同書き込み」「オンライントレード」については、携帯電話の利用がパソコンに肉薄しているのが分かる。例えば「閲覧」の場合、パソコンからは34.1%、携帯からは25.8%と差は8.3ポイントでしかない。
比較的新しいコミュニケーションツールで、実際におしゃべりしているかのように意思表示と意思確認ができ、しかもワンクッションおける便利な掲示板・ブログ・SNS。見るのも参加して書き込むのも、携帯電話の「いつでもどこでも」「気軽に」という特徴を活かせる場として認識されつつあるようだ。
一方で「オンライントレード」は即断即実行とリアルタイムの情報をいつでも求められる金融商品取引においては欠かせないものになりつつある。携帯電話からのオンライントレードは、かつては簡単な文字情報しか提供されず、あくまでも「緊急時の代替手段」程度のものだった。しかし今では携帯電話自身の高性能化で、「かつての」パソコンのツール上とあまり変わらないほどの高機能を実装するようになった。今後は取引可能な時間帯はパソコンで、そうでない時間帯は携帯電話を、といった形で「パソコンと携帯電話を使い分ける」人がこれからますます増えてくるのだろう。
またクーポン券の利用についてはパソコン11.7%に対し携帯電話12.4%と、唯一携帯電話が上回る逆転現象がおきている。これは【ケータイクーポンの認知度は8割超・ファーストフードやレンタルショップで大活躍】などで説明したように、携帯電話の画面を見せるだけでクーポン扱いしてくれる「ケータイクーポン」が普及した一例。パソコンでわざわざプリントアウトしてその紙を持参するより、携帯電話でアクセスしてその場で見せたほうが簡単で、しかも地球に優しい。今後ますますケータイクーポンの利用は増えるだろう。
元リリースでは年齢階層別に携帯電話とパソコンの利用割合の差が少なかった「掲示板、ブログ、SNSの閲覧」「掲示板、ブログ、SNSの書き込み」「オンライントレード」の3項目についてチェックを入れ、結果として「若者は掲示板やブログ、高齢者はオンライントレードで携帯を活用」という結果を導き出している。しかしそのデータにおいては「それぞれの項目で各年齢層が『パソコンも合わせてどれだけ利用しているのか』というデータ」がなく、「パソコンと携帯電話の利用用途」と年齢との比較が難しいと判断。抽出はしなかった。パソコンを使っているか否かを別にして考えれば、上記の傾向は間違いないのだが……
ともあれ、どちらかといえば若年層が携帯電話を使ってチャットやメール、掲示板やブログなどを使って自己発信や意思表示、情報の収集などで「見えないコミュニティ」に溶け込もうとしているのは確かだろう。いつでもどこでも使える、世界中を飛びまわれる、さらに色々な商品の割引もしてもらえるステキなツールとして、携帯電話は彼らの目に映っているに違いない。
(最終更新:2013/08/16)
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