ゲームから始まる江戸時代な世界・「ものしり江戸名人」と「大奥記」
2008年01月24日 08:00
グローバル・A・エンタテインメントは今春に、プレイステーション2用として江戸時代の大奥における権謀術策を描いたアドベンチャーゲーム『大奥記』(税込み6400円)と、江戸時代の文化知識を学べるクイズゲーム『学研M文庫presents ものしり江戸名人』(税込み3990円)を発売する。元々歴史系の一風変わったゲーム・エンタテインメントソフトを市場展開する同社であるが、今春に相次いで江戸時代をテーマにしたソフトが提供されることになった。
スポンサードリンク
●華やかな女の園の裏に潜む野望と策謀の世界『大奥記』
元々グローバル~は『悪代官』シリーズで、時代劇もの系の権謀を楽しめるゲームを次々と世に送り出していることで有名。ある意味稀有な、別の意味で筋の通った商品展開といえよう。今回発売される『大奥記』も、筋の通ったタイプのゲーム。プレイステーション2用。
元々「大奥」とは江戸徳川幕府時代に設けられた、将軍様の世継ぎを産む女性たち(正室や側室、さらにはその生みの母親や子女)を囲った、いわばハーレムのような場所。最大事には数千人もの人数が共同体として生活を営んでいた。
『大奥記』ではプレイヤーはその「大奥」に出仕した一人の女性「時子」に成り代わり、ある目的を果たすため大奥生活を過ごしながら、情報収集を重ね、動かぬ証拠をつかみ、ライバルを蹴落としていく。
いわば探偵推理モノのアドベンチャーゲームと同じ仕組みなのだが、「情報収集」「情報の整理」「判断・犯人への追求(ゲーム内では「申し開き」)」といったプロセスが、「大奥での権謀」という状況設定には妙にマッチする。考えてみれば確かに、「大奥」内という限られた閉鎖空間の中で、常に陰謀が渦巻き(=事件が起き)、それらが自分を失墜させるものとなれば、ストーリー的にも無理が無いし、ドラマなどで見かけたような面白い展開も期待できる。
意外にツボをついたタイトルになるかもしれないと、プレイステーション2ユーザーは期待できることだろう(ただしこれまでに何度と無く発売日を延期しているようなので、予約などには注意が必要なもよう)。
●『学研M文庫presents ものしり江戸名人』
「大奥」が秘められた閉鎖空間内における権謀術策を描いたアドベンチャーゲームなのに対し、こちらは江戸庶民を中心とした江戸情緒全体を学べる、江戸文化クイズゲーム(ニンテンドーDS用)。
プレイヤーは将軍様の参謀的な役割を果たす「将軍家指南役」を目指し、江戸町内に住むさまざまな「講師」たちにクイズで問答を繰り広げ、知識を高めていく。システムは他のクイズゲーム、というよりは試験タイプのソフトに近く、「ジャンル選択」「授業受講」「模試クリア」「昇級試験」「そのジャンルの資格取得と新しい(上級の)講師登場」といった流れ。
ジャンルは「生活」「剣術」「地理」「芸能」。江戸に関する知識を求める問題が、レベルに従った難易度で展開される。登場する人物も柳生十兵衛や森の石松など、時代劇や歴史モノの漫画によく登場する人物が勢ぞろい。クイズの回答形式は○×の他に選択肢からの選択、書き取り、並べ替えなども用意されている。
テレビでは何気なく見ている江戸時代の文化も、改めて問われると「あれ、どっちだっけ」「これはこうだったかな……?」とと頭にはてなマークを浮かべることも多い。時代劇が好きな人には、より楽しく見る知識を得るために、うってつけのタイトルになるかもしれない。
グローバル・A・エンタテインメントではこの他にも歴史系のソフトとして近代史では第二次世界大戦モノ、中世では例の『悪代官』以外に『信長戦記』などを発売済み。また、「ものしり」シリーズとして『江戸名人』以外に『ものしり幕末王』が発売予定、『ものしり戦国王』がすでに発売中。ある程度プレイヤーを選ぶラインアップだが、逆にその道のファンには要チェックなタイトルたちといえるだろう。
……個人的にはパソコン向けに出してほしいものがいくつもあるのだが、これはかなわない願いだろうか(笑)。
(最終更新:2013/09/07)
スポンサードリンク
ツイート