超高性能『バウリンガル』!? 犬と「対話」ができるプログラム開発中

2008年01月17日 08:00

犬イメージ【Telegram.co.uk】が報じたところによると、ハンガリーの【Eotvos Lorand大学】のCsaba Molnar博士らが率いる研究チームが、犬のほえ方などで彼らの意志がある程度把握できるプログラムを研究中であり、単純な行動について約5割の正解率を得ることが出来たと明らかにした。今後このソフトウェアの精度がさらに高まれば、犬をペットとして飼っている人は、今までより一層彼らとの意思疎通ができるようになるだろうとしている。

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Mudi breedイメージ犬はほえ方やうなり方などでさまざまな意思表示をしようとする。研究チームでは14頭のハンガリーの牧羊犬(Mudi breedという種類)に対して6000以上もの「ほえ方・うなり方」について6つのパターン「見知らぬ人だ」「かかってこい(戦ってやる)」「歩く」「一人にして」「ボールがほしい」「遊びたいな」に分類。新しい「ほえ声」を入力して認識率を分析したところ、「見知らぬ人だ」「戦ってやる」に該当するパターンがもっとも認識率が高く「遊びたいな」が低かったという。平均では43%の認識率に達した。人間が単純に判断するよりは高い認識率だという。

Mudi breedが特別な種類の犬というわけではないので、他の犬に対しても似たような識別率が得られるだろうとCsaba Molnar博士は語っている。実際、他の犬に試したところ、52%の認識率を得られたという。

犬の表情や鳴き声から、彼らの意志をつかみとるのは従来飼い主の「仕事」に他ならない。しかしながら博士が開発しているようなプログラムの精度を高めることができれば、犬の調教師などに大いに役立つだろうとしている。

研究チームでは現在、他の犬、例えばペット用の犬や狩猟犬などの「ほえ声」との比較も検討し、「犬の共通語」をチェックする予定。さらにペットの飼い主が感情的になって言葉を発することで、犬の「ほえ声」と同じような印象を犬に対して与えることもできる、と博士は付け加えている。

分析パターンが6つしかないのが残念だが、犬と会話が出来るという触れ込みの「バウリンガル」の本格派・精度版という考え方で良いだろう。実際にはそれぞれの犬の個性(ほえ方やほえる時の表情、尻尾を振るなどのアクション)などでその犬が本当に訴えたい事は違うのだろうし、彼らとの意思疎通は「言葉」を共通に持たない以上、長年の経験と彼らへの愛情で推測するしかない。

しかし文中にもあるように、ペットと飼い主以外の第三者がペットの犬に対する意思疎通を求めたい状況の際には、良いサポートツールになることだろう。

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