モッフル自作・試食レポート
2008年01月14日 19:30
「Garbage Shot」第八十一回。今回は以前【正月のおもちが余ったら「モッフル」はいかが?】で紹介した、モッフルメーカーで作る新しいおもち料理「モッフル」。英語表記では「Moffle」と書く、この聞き心地のよいネーミングの料理、先に紹介してから「一度は出来たてを食べてみたい」という好奇心がうずまき、とうとう自分で挑戦することに。
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「モッフル」とはズバリ「ワッフル」みたいな「おもち」のこと。「おもち」+「ワッフル」で、「おもちワッフル」から「モッフル」になったという次第。詳しくは先の記事や【All About Japanの解説ページ】を参照してほしいのだが、元々『Vitantonioのワッフルメーカー』を販売している企業が実演販売をしている最中にお客から「もちでも焼ければ」と突っ込まれ、試しに焼いてみたら非常に美味しかったところが「モッフル」の始まりだそうな。現在では設定温度を高めにしておもちがふわふわに良く焼けるように工夫された「モッフル」専用の『モッフルメーカー』も作られているとのこと。
今回使用したのは、簡易版ともいえる『V2 ワッフル&ホットサンドメーカー』。先に紹介した『モッフルメーカー』や本格的なワッフルメーカー『Vitantonio ワッフル&ホットサンドベーカー VSW-400』などがベストなのだろうが、当方はモッフル専門家でも料理研究家でもなく、たい焼きなどを作る予定もないので、簡易版で充分だとの判断からこれを選択。
「ワッフル&ホットサンドメーカー」の説明書にはモッフルに関する言及はないが、先の記事などで製作工程は把握しているので問題なし。あらかじめ加熱しておいたワッフルメーカーに油を塗り、ワッフルの生地の代わりにおもちを1枚ずつ乗せる。そしてフタを閉……めきることができないが、プレートの熱でおもちが柔らかくなり、段々とフタが閉まるように。そしてロックが出来るようになる。この工程は先の記事の通り。
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モッフルの生地を入れる部分におもちをセット。
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フタを閉めた直後はおもちの厚みでロックができない(白丸囲み部分)。ホットプレートの熱でおもちが柔らかくなり、じきに閉められるように。
おもちの厚みやワッフルメーカーの性能にもよるが、大体ワッフル作成と同じくらい、4~5分できれいに焼きあがるという話。時間が経つにつれ、おもちが焼けていく「じりじり」という音と、プレートのすき間から湯気が立ってくる。おもちが焼ける香ばしい匂いが鼻をくすぐる。
何度かフタを開けて焼き具合を確認しながら、頃合を見て電源を切り、完成した「モッフル」を取り出す。中途半端な焼け方だと、プレート上におもちの粘り気がついてしまう場合があるので注意が必要。
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上手に焼ける時間が図りかねるので、ちょくちょくフタを開けて様子を確認。
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フタの上にへばりついてしまったが、これで完成。プレートはまだ熱いのでやけどに注意。
使ったおもちが少々厚かったようで、お互いがくっついてしまったがまずまずの出来。切り離して一つを取り出してみる。ワッフルみたいな形。「モッフル」というネーミングがいかに巧みであるかが分かる。
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これがかの「モッフル」
早速まずはなにもつけずに素で食べてみる。しょう油ものりもきな粉もつけない、単におもちを焼いただけなのでおもち以外の味がしないのは当然のこと。しかし食感は非常に面白い。先の記事では元記事にあったように「ふわふわ感とサクサク感が同居する、不思議な食感」と表現したが、それとはまた少々違う食感がする。表現するなら「もちもち感とサクサク感」といったところだ。
断面図を見てもらえば分かるのだが、「モッフル」の大部分は揚げせんべいのように薄い生地できれいに熱が通ってカリカリに焼けている。しかもぎっしりと詰まっているわけではなく、適度に空気が入っており、スナック菓子・ふんわりしたおせんべいのような歯ざわり。
その一方内部には普通のおもちを焼いた時に味わえる、「おもちうにょーん」的な(笑)柔らかい、もちもちとした部分も残っている。おもちの厚さやホットプレートから取り出すタイミングで、この「カリカリ・ふわふわ」と「やわらかい・もちもち」部分の比率を変えることも可能なのだろう。
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「モッフル」断面図。カリカリなおせんべいのように焼けているが、一部(赤丸部分など)におもち特有の「やわらかい部分」が残っている。これが口の中で「面白旨い」な食感を創り出す。
「モッフル」の面白いところ食感ばかりではない。元々がおもちであることとその形から、食パンやクラッカーと同じように「お菓子」としても「主食」としても扱うことができ、トッピングを考えることができる点にある。先の記事などではアイスを乗せたりチーズをはさんだりなど、クラッカーやピザのような使い方をしていたので、早速いくつか挑戦。
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オーソドックスにバニラアイスを乗せてみた……だけでは味的にも見た目にもつまらないので、さらにつぶあんを加え、二つ折りにしてはさんでみた。外側がカリカリ、内部が柔らかいので、パンのように気軽に折り重ねることができるのも「モッフル」の特徴。
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しゃぶしゃぶ用の薄いおもちを使い、その上にチーズとハムを乗せて焼いてみた。
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えらいことになった。
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「モッフル・ハム&チーズばさみ」。味は二重丸。
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モスバーガーの「きんぴらバーガー」とばかりに「きんぴらモッフル」に挑戦。これも花丸ものの味わい。
いくつか試していく過程で分かったのだが、「お菓子」としても「主食」としても使える「モッフル」は、パン代わりにもご飯代わりにもなりうる、つまりパンやご飯と同じようにトッピングを考えることができるという、非常に「柔軟性に富んだ主食」足りえるようだ。
パンにきんぴらごぼうを乗せて食べるという話はあまり聞かないが、モッフルなら十分に良い味を出してくれる。ピザ風味にチーズとハムを乗せても非常に美味しくいただけた。アイスや餡(あん)のように、クラッカーやクッキーのようなスナック菓子に用いる食材も非常によく似合う。普通におもちを焼いただけなら、ここまで高い柔軟性は得にくいだろう。
おもちでもパンでもご飯でも、そしてクラッカーでもない新たな食感。そして多種多様の食材を包み込むだけの包容力。この二つを併せ持つ「モッフル」は、おもちの新たな食し方として改めてお勧めするだけの価値があると断言できる。
最後に、実際に調理した上でのポイントをいくつか。
・厚みにもよるが、おもちは1つを二つに分けて使った方が良い。1つ1つ別々に使うと多少多すぎる(大きすぎる)。
・「きんぴらモッフル」のようにはじめから具材を乗せて焼く場合には、しゃぶしゃぶ用の薄手のおもちを使うと良い。
・チーズのように熱で伸びたりふくらむものは、おもちと一緒に焼く場合には熱せられた後のことを考えて分量を決める(※今回のはチーズが多すぎました)。
・焼き方が違ってもおもちはおもち。出来立てが一番美味しい。完成したらすぐに食べよう。
冷えてしまってもそれなりにカリカリとしたせんべいのように食べられるのもポイントが高いが、やはり出来立てを口にし、「カリカリふわふわ」「やわらかもちもち」の双方を一度に楽しむのがベスト。
正月のおもちが余っている人はもちろん、正月でなくともワッフルメーカーがあれば、ぜひ一度は試してほしいものだ。
(最終更新:2013/09/08)
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