世界の新型インフルエンザ発生状況データ更新
2008年01月13日 19:00
厚生労働省は1月11日、同省内の【新型インフルエンザ対策関連情報】内における世界のインフルエンザ(H5N1)発生状況地図を最新データのものに変更した。2008年1月3日にWHO(世界保健機構)が更新したデータまでが反映されている(【該当地図と資料、PDF】)。
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鳥インフルエンザ(特にH5N1型)は感染力・生物への影響力が極めて高く、日本国内でも鳥から鳥への爆発的感染が何度か報じられている(日本国内では鳥インフルエンザの「人間での発症事例は無い」)。現在各国政府・保険機関が危惧しているのは、この鳥インフルエンザが変移し、「鳥から人」ではなく「人から人」の感染力を持つ「新型インフルエンザ」になること。もしその変移が起きてしまうとその時点では人間には免疫力が無いに等しい(「新型」なのだから、それに対抗する免疫力を有しているはずがない)ため、「パンデミック」と呼ばれる大感染につながる可能性が高い。
先に【中国で「人から人へ」の鳥インフルエンザの感染の疑い発覚】で報じた、中国での事例は『産経新聞』などでも伝えているように中国政府が1月10日「正式に人から人への鳥インフルエンザ感染」として発表した。ただし感染ルートは不明で、限定的な感染であり親子以外の感染は無いことや、父親は回復に向かっていると報じている。
発表タイミングから見て今件は反映されていないが、その他にも世界各国で多くの「'人から人へ'の鳥インフルエンザの感染」が発生していることが分かる。
厚生労働省発表の2008年1月7日時点における鳥インフルエンザ発生国、及び人における発症事例
だいだい色の国が「人における発症事例」が確認された国。最新情報を見る限り、データが発表された2003年以降では、「人間が感染した鳥インフルエンザ(H5N1型)」の症例数としては2004年~2005年はベトナムやタイが多発、2005年以降はインドネシアで多くが発見されているのが分かる。また、中国やエジプトでも10件前後ではあるが2005年~2006年以降報告が相次いでいる。
風邪とインフルエンザは似て非なるものではあるし、毎年冬場に流行るインフルエンザと新型インフルエンザもまったく別物(インフルエンザには違いないが……)。今からどうすればいいのかと頭を抱えるような神経質になる必要はないものの、同時に対岸の火事のように「日本は関係無いネ」と無関心を決め込むのも問題がないとはいえない。
地図を参照し、すでに過去5年間において世界中でこれだけの症例が「報告」され、報告されていない事例をあわせるとその数はさらに増えるという事実を確認した上で、一人一人が新型インフルエンザに対する再認識をしてほしいものである。
……もちろん直近の問題として、通常のインフルエンザ対策も忘れずに。
(最終更新:2013/08/29)
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