【更新】眠りの度合を耳あてでチェック・小型睡眠計を大阪バイオサイエンス研が開発
2008年01月05日 12:00
[読売新聞]が伝えるところによると、【大阪バイオサイエンス研究所】は1月4日までに、耳に装着して脳波を測定し、被験者の睡眠状態を調べる携帯型の「睡眠計」を考案、試作品を完成させたという。睡眠の質と量を数字化することもでき、開発した裏出良博・研究部長は「家庭での健康管理や居眠り運転の防止などに活用できる」とコメント。2年以内の実用化を目指すという。
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大阪バイオサイエンス研究所のサイトに今件の公開情報が記載されていないので、情報は元記事に頼るしかないのだが、それによると睡眠時には脳波の成分の一部が消失して単純な波になり、頭の広い範囲で同種の脳波が計測できることに着目した裏出部長らは、正確なデータを取得しやすい耳の部分につける脳波計を作成。
脳波の波形から、体を休め脳は働いている「レム睡眠」と、脳も休んでいる「ノンレム睡眠」(4段階)を判別。マウス実験を元に、これらのデータから「睡眠の深さと覚醒」を自動的に判定する解析ソフトを作り、人間に応用した。
これまで眠りの状態を調べるには(科学テレビ番組などでよく見かけるように)大掛かりな装置を使い、あちこちに電極を取り付けて脳波の測定が必要だった。当然ながら一般生活において使用できるはずもなく、日常生活で脳波測定による睡眠計測は事実上不可能だった。
今回の研究開発の成果でなら、(元記事にあるイラストが正しいとすればヘッドホンクラスの大きさのようなので)日常生活での使用も可能だろう。このデータを携帯電話経由で睡眠解析センターのような場所に送り、その内容を解析する(健康管理サービスなどではすでに実施されているような)仕組みを構築することも検討しているという。一定以下なら(運転できる状況ではないので)自動車の運転差し止めをうながしたり、不眠症の人が自分の状態にマッチする睡眠導入薬の選別にも利用できるとのこと。
「不眠・睡眠の質が悪い」と
悩んでいる人は23%にのぼる
[健康ネットの睡眠関係のページ]によれば、1997年の時点ですら約23%の人が「睡眠で十分に休養が取れていない」と答えている。つまり10年以上前の時点ですら「現代人の約5人に1人が、睡眠不足の状態、あるいは睡眠の質が悪いままで日常生活を過ごしていることに」なる。
このニュースを知ったのは、実は先日放送された某ラジオ局でのニュースコーナーの話がきっかけ。女性のパーソナリティーが「自分は不眠症である」ことを述べた上で今ニュースを取り上げ、「これが実現化すれば自分にも随分役立つことになる」と非常に喜んでいたのが印象に残り、調べてみた結果、読売新聞の記事を見つけることができた。元々当サイトでも時々降って沸いたように「不眠」などのキーワードをたどって検索エンジン経由でやってくる人が急増することがあり、「不眠症で悩んでいる人は多いのだな」と体感していたから、自分自身のための覚え書きの意味もあわせ、今回取り上げた。
正式なプレスリリースはまだ出されていないし、商品化はさらにずっと先になると思われる。それでも、多くの人が悩んでいる事象の詳細を簡単に把握して分析し、解決策を導く材料を提供してくれるのなら、これほど嬉しい事はないだろう。早期の開発を望みたいところだ。
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