株式取引は手控え、様子見…野村證券(8604)、2007年12月計測分の個人投資家動向を発表
2008年01月08日 08:00
【野村證券(8604)】の金融経済研究所は1月7日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2008年1月発表分、PDF】)。前回計測月と比べるとほんのわずかではあるが状況が改善されているものの、まだまだ取引をひかえる動きは顕著で、「待ち」の姿勢を見せる投資家の姿が多く見受けられるのが印象的な結果が出ている。
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今調査は1000件を対象に12月17日から18日に行われたもので、男女比は69.1対30.9。年齢層は40歳代がもっとも多く31.3%、ついで30歳代が30.0%、50歳代が21.3%など。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く25.0%、ついで200万円未満が22.0%、200万円~500万円が19.0%と続いている。
1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く22.5%を占めている。次いで1年から2年未満が21.5%、6か月から1年未満が18.3%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く49.2%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が24.0%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。
詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には
・投資指数は前回よりわずかに改善されたものの過去2番目の低水準を記録。
・株式取引は手控え、様子見の状況が続く。
・国内景気や企業収益の要因においてもマイナスととらえる見方が増えた。
・魅力的な業種は先月に続き「医薬品・ヘルスケア」がトップ。
・金融商品取引法の完全施行において個人投資家の売買に与える影響はあまり見られない。
という形に。現実問題としてこの調査が行われた時期は株価が安値低迷しており、月末には大幅下落しているだけに、懸念が現実のものとなる結果となっている。
気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、先月から引き続き第四位まで変化がなく、第五位に[武田薬品工業(4502)]が再びトップ5内にランクインしている。下値安定感のあるディフェンシブ的な銘柄が比較的選ばれやすいということだろうか。
1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……[任天堂(7974)]
3位……【ソニー(6758)】
4位……【東京電力(9501)】
5位……【新日本製鉄(5401)】
上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。つまりそれだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。上位に位置する銘柄であろうと得票差にはさほど違いがなく、誤差の範囲で順位が変動する可能性はある。が、トップの[トヨタ自動車(7203)]と第二位の[任天堂(7974)]は相変わらず株価自身が青天井であっても二位以下に倍以上の差をつけてその座を維持しており、「何はともかくまずトヨタ」「世界に冠たる任天堂」と考える人が多いことがうかがえる……という状況はこの時点では先月同様。
この傾向はここ数か月変わるところがなく、同社の知名度・人気度の高さが分かる。しかしこの後、株価全体の急速な下落や為替の大きな変動により、これらの銘柄も少なからぬ痛手を受けている。投資家のマインドがどのように変化し、順位に影響を与えたのか。次回の発表に注目が集まるところだ。
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