業務用パスタは最大4割上昇・日清フーズが小麦食品を3月から再度値上げへ
2008年01月19日 12:00
【日清製粉本社グループ(2002)】は1月17日、グループ会社の日清フーズが3月1日出荷分より家庭用・業務用のパスタやパスタソース、冷凍食品などの製品価格の改定を行なうと発表した。家庭用で3~20%、業務用で8~40%の大幅な値上げとなる(【発表リリース、PDF】)。
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日清フーズではすでに【日清フーズ、パスタや天ぷら粉、ホットケーキなどを1割前後値上げへ】で報じているように、昨年2007年11月に家庭用・業務用の小麦製品価格を値上げしていた。これは主に原材料のデュラム小麦の価格上昇やその他の経費(副材料費、包装資材など)の高騰によるものだが、その後も相場の急騰は続き、今回の値上げ決定は「企業努力の限界を超え」たのが理由と説明されている。
リリースには具体的な商品名は挙げられていないものの、上昇幅は次の通り。
1.家庭用
(1)パスタ 約15~20% 値上げ
(2)パスタソース 約4~12% 値上げ
(3)家庭用冷凍食品 約3~16% 値上げ
2.業務用
(1)パスタ 約30~40% 値上げ
(2)冷凍パスタ 約15~20% 値上げ
(3)パスタソース 約8~12% 値上げ
パスタに用いられるカナダ産デュラム小麦の価格決定は2007年8月に、新たに売買同時契約方式が導入されている。具体的には製粉会社と輸入業者が一緒になって政府との間で毎月入札して価格を決めるというもの。これは元々の生産量が少ないためで、通常の小麦価格の改定(年3回、当面は年2回)と比べ相場の影響が敏感に反映されやすくなる。今回の値上げはデュラム小麦の相場が高騰している分を転化させる狙いがあるようだ。
今回の値上げは昨年11月の値上げから半年も経たずに再度行なわれたこと、業務用パスタでは最大4割もの大幅な値上げとなること(前回は15~20%に留まっていた)、そして家庭用の冷凍食品については1993年の発売以来初めての値上げとなることなど注目すべきポイントが多い。
それだけデュラム小麦の価格が急騰しているわけだが、これはデュラム小麦に限らず小麦全体の現状であることは【小麦の政府売り渡し価格、約30%値上げか・日経報じる】でもお伝えしたとおり。4月には今回の日清フーズの値上げ幅と同等の値上げが、他の小麦関係食品全般で行なわれる可能性が高いと見て良いだろう。
(最終更新:2013/08/18)
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