灯油24.0%・ガソリン16.4%……物価上昇は13年ぶりの高水準

2008年01月26日 12:00

値上げイメージ総務省は1月25日、2007年12月における消費者物価指数を発表した。それによると2005年を100とした指数で12月は100.9となり、生鮮食品を除いた前年同月比で0.8%上昇し、3か月連続してのプラスとなる。また、この数字は一か月の伸び率としては13年ぶりの高い水準となっている(【発表ページ】)。

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発表された消費者物価指数は、全体として2005年を100とした指数で100.9、天候による変動が大きい生鮮食品を除いて100.9となり、それぞれ前年同月比で0.7・0.8%の上昇になる。また先月からはそれぞれ0.2・0.3%の上昇。

この上昇率は消費税が引き上げられて物価に大きく影響を与えた1997年をのぞけば、1994年8月以来・13年4か月ぶりの高い水準となる。ただし家電商品などの値下がりが強く反映される「食品(除く酒類)やエネルギーを除く総合指数」は99.5と昨月と同数・前年同月比で0.1%の下落を示しており、物価変動のアンバランスさが見て取れる。

単純総合、生鮮食品を除いた、食品やエネルギーを除いた総合物価指数
単純総合、生鮮食品を除いた、食品やエネルギーを除いた総合物価指数

主要品目毎に前年同月比、つまり1年間でどれだけ値上がりしたかの幅を見てみると、

・灯油……24.0%
・ガソリン……16.4%
・ねぎ……21.6%
・マヨネーズ……11.2%
・食パン……6.4%
・ポテトチップス……6.3%


などとなっている。一方携帯電話料金や家電商品の値下がりも大きく

・カメラ……-31.9%
・ノート型パソコン……-29.3%
・薄型テレビ……-16.7%
・携帯電話料金……-3.9%


となり、特に教養娯楽用耐久財のたぐいに値下がり傾向が強く見られる。

全体としての消費者物価は「やや高めの傾向にある」というところだが、耐久財の値下がりが続く一方、食品やエネルギー(原油)などの消費財が大きく値上げがりし、消費者物価指数を底上げしている形となっている。カメラや薄型テレビは持っていた方が良いに違いないが、テレビは食べられないしカメラで暖をとることも出来ない。より身近な、切実な商品の大幅な値上げは、多くの人に打撃を与えることになる。

賃金が上がらない中で、生活必需品の食品やエネルギーの価格が上昇することは、消費性向はもちろんのこと生活そのものの質、そして一人一人のメンタリティ(心理状態)にも良くない影響を及ぼす。状況がさらにマイナス方向に進む前に、何らかの手を早急に打つ必要が求められよう。

ちなみに主要各国の物価上昇率は同じく2007年12月において、前年同月比でアメリカは4.1%、イギリスは4.0%、ドイツは2.8%など。消費文化や物価そのものの傾向、さらには為替レートなどもあり、一概に比較することは難しいが、各国とも食品や原油などの素材価格上昇に頭を痛めている様子が見て取れる。

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