2007年の日本株式の下落率は世界でワースト2・マイナス6.55%

2008年01月15日 06:30

株式イメージグローバル・インデックス算出先大手のスタンダード&プアーズ(S&P)は1月7日、S&P株式指数による2007年12月時点での各国株式のパフォーマンスを発表した。それによると年間を通じた計測対象52か国の株価変動でもっとも下落したのはアイルランドの-19.62%、それに続くのが日本の-6.5%であり、下から二番目であることが明らかになった。2007年における日本の株式市場の低迷振りが改めて確認できるデータといえる(【発表リリース、PDF】)。

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今データは全世界で1億アメリカドル(107億円)以上の時価総額を持つ世界の株式の値動きをS&P社が調べ、それを分析したもの。それによると2007年12月においては、

■2007年12月分
・全世界では-1.24%
・新興国は+0.98%
・先進国の大型株は-1.42%、小型株は-1.78%
・インド、ナイジェリア、エジプト、マレーシア、ロシアが特に上昇
・先進国のREITは-5.18%、アメリカは-5.89%
日本は-4.40%

■2007年総計
・全世界では+9.57%
・新興国は+38.76%
・先進国は+7.11%、大型株は+7.87%、小型株は+4.32%
・ナイジェリア、スロベニア、インド、ブラジル、トルコが特に上昇
・先進国のREITは-14.73%、アメリカは-20.03%
日本は-6.55%


などといった結果が出ている。特に日本は11月の時点で14位のポジションだったものが50位にまで落ち込んでおり、株価の急落が特に日本の株式市場において顕著だったことが浮き彫りにされている。

2007年の年間を通した、騰落率の上位・下位10位は次の通り。

■上位10位

1:ナイジェリア……+110.56%
2:スロベニア……+85.84%
3:インド……+78.98%
4:ブラジル……+74.64%
5:トルコ……+73.55%
6:中国……+66.91%
7:ペルー……+66.66%
8:エジプト……+51.79%
9:チェコ共和国……+51.79%
10:インドネシア……+48.14%

■下位10位

1:アイルランド……-19.62%
2:日本……-6.55%
3:ベルギー……-3.13%
4:スウェーデン……-3.06%
5:オーストリア……-0.42%
6:アルゼンチン……+0.39%
7:イタリア……+1.60%
8:ニュージーランド……+2.88%
9:イギリス……+3.62%
10:アメリカ……+4.02%


下位6位のアルゼンチンから下落率がプラスに転じていることからもお分かりの通り、計測対象国52か国のうち、2007年の年間を通してS&P株式指数(≒株価)が下落したのは日本を含めて5か国のみ。一方で上位10位を見てもお分かりの通り、新興国は軒並み2ケタ台の伸びを示している。

「サブプライムローン問題で足を引っ張られているのではないか」という指摘もあるが、それにしては他の先進国はそれなりに健闘しており、先進国だけをみた年初来からの指数も平均で+7.11%(日本含む)という数字をはじき出している。この数字から、「日本株式が非常に割安な状態にある」と見るのか、アジア周辺諸国に外国人投資家らの目が奪われている&日本の株式の魅力が相対的に(あるいは独自に)薄れていると見るのか、このデータからだけでは判断がつきかねる。

ただ、アジア太平洋(新興国)の年初来平均株価パフォーマンスは+42.77%という高い値を示していることから、単に日本株が割安というだけでは説明がつきにくい感もある。日本市場に活気と株価上昇気運を取り戻すには、「周辺諸国以上、せめて同等の」証券税制措置の断行や、安心して投資ができるような経済・政局上の環境作りが必要不可欠といえるだろう。

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