みずほコーポ・米メリルへ1300億円を出資・邦銀では初

2008年01月16日 06:30

株式イメージアメリカの証券大手メリルリンチは1月15日、サブプライムローン問題で損失が大幅に拡大したとして、大規模な資本増強を決定、【みずほコーポレート銀行(みずほCB)】など7社を引き受け先として総額66億ドル(約7100億円)の優先株を発行すると発表した。うちみずほCBは12億ドル(1300億円)となる。日本の金融機関でアメリカの金融機関への資本増強に応じるのは、バブルが崩壊して以来はじめてのこと(【発表リリース】)。

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【メリルリンチが7000億円の資本増強・さらに金融子会社の大部分をGEに売却】にもあるようにメリルリンチは昨年12月末、9000億円の損失をサブプライローン関連で計上したことを受け、62億ドルの出資と金融子会社の大部分を売却し、資本増強を行なった。しかしその後もサブプライムローン関連の証券化商品の価格は下落を続けており評価損が拡大、さらなる資本増強が必要との判断に迫られ、今回の決定となった。

今回発行されるのは配当年9%・1株52.40ドル。転換プレミアムは17%。出資引き受け先はみずほCB以外にクウェート投資庁、韓国投資公社、みずほコーポレートが公表されている(他はTPGアクソン・キャピタル、ニュージャージー州ディビジョン・オブ・インベストメント(年金基金)、オラヤン・グループ(サウジアラビアの投資家)、T・ロウ・プライス・アソシエイツ(アメリカの投資信託))。また、みずほCB以外の買受金額の詳細は公開されていない。さらに今回の出資者には優先株も含め9.9%を超えたメリルリンチの株式の取得や、経営権を獲得するような提案をしてはならないことや、増資が完了してから1年間は優先株を転売したりヘッジ目的の売買に利用してはならないという縛りを設けている。

今回みずほCBが出資者に加わったことについてリリースでは「メリル・リンチにはかねてからみずほCBとの間に良好な関係が築かれてきた。今回の投資によって経営戦略上においても大きな利点をメリルにもたらすだろう」「みずほCBは日本国内に大規模な法人顧客数を持ち、さらに中国や環太平洋地域に強いつながりを持っている。メリルはこのような特徴を持つみずほCBと将来において協業することで、大いに生産性を高めるものになるだろう」と述べている。ただし具体的にどのような分野でいかなる協業を行なうかは説明されていない。恐らくは今後協議の対象となると思われる。

(最終更新:2013/08/18)

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