【更新】来年初頭はインフルエンザに要注意
2007年12月31日 12:00
年末に入り世間そのものが騒がしくなって埋もれがちな話だが、今冬はインフルエンザが大流行する可能性が濃厚となっている。【計測史上最速のインフルエンザ流行宣言】にもあるように、厚生労働省ではすでに統計を取り始めて以来もっとも早く「インフルエンザが流行に入った」と宣言しているし、流行の度合が「警報レベル」(大きな流行の発生・継続が疑われる)に達した都道府県は北海道以外に青森県、和歌山県、岡山県、広島県にまで拡大している。
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インフルエンザに関する定点観測においては今年においては、第42週以降増加が続いていた。11月19日から25日にあたる第47週には定点報告数が、全国的な流行開始の判断基準である指標1.0を上回り、「インフルエンザ流行宣言」が発令。その後も急速に患者数は増えつつある。
第50週(12月10日~12月16日)インフルエンザ流行度
第50週(12月10日~12月16日)インフルエンザ流行度
過去10年間におけるインフルエンザの定点あたり報告数(【比較グラフデータページより】)。「▼」の直下は今年の最新データにおけるポイント。まだ絶対数が少ないが、今年は例年以上に早期・大規模な流行が予想される。
各種図表を見ても、今年の流行がいつもより速まっているのは一目瞭然。これが単に「流行時期がずれ込んでいる」だけなのか、「規模が大きくなるので開始時期も速くなった」のか、今の時点で見極めることは難しい。
各種図では今現在のところ50週までしかデータが反映されていないが、[最新の定点観測データ(PDF)]は51週(12月17日~12月23日)のものが公開されている。これによると定点あたりの報告数としては青森県の22.3を筆頭に、和歌山県の19.3、岡山県の14.5、北海道の13.6、兵庫県の13.2など、以前の記事(第47週分)と比べると北海道から全国に(まだ点在のレベルではあるが)流行地域が拡散しているのが分かる。
第36週以降、これまでにインフルエンザウイルスの検出はAH1亜型(Aソ連型)が415件、AH3亜型(A香港型)51件、B型8件が報告されている。このうちもっとも件数の多いAソ連型は、日本にはあまり入ってこなかったタイプのもので、ほとんどの人がウイルスに対する免疫がないとのこと。
生労働省側では【インフルエンザ対策の専用ページ】を設け、予防接種を勧めると共に、感染しやすい場所での行動を差し控えることや、手洗い・うがいを心がけること、体力を十分につけて体のバランスを崩さないようにすることなどを呼びかけている。
また、インフルエンザ治療薬タミフルについては[タミフル、10代へ投与禁止継続・厚労省研究班、1万人調査(日経新聞)]や[タミフル服用有無にかかわらず「高熱でも異常行動」医師調査(河北新報社)]などのように、問題行動との関連性が必ずしもあるとは限らないような報が相次いでいる。また、インフルエンザワクチンについては[国立感染症研究所]でもその問題点と効用について詳しい説明が行なわれている。自治体や医療・教育機関などからの説明に耳を傾け、それぞれの判断で対処をしてほしいものだ。
(最終更新:2013/08/18)
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