携帯電話の「メール」利用頻度ますます増加中
2007年12月24日 12:00
【Japan.Internet.com】などは12月20日、2007年における携帯電話の利用方法に関する調査結果を発表した。それによると今年における携帯電話の利用方法で、去年と比べると利用頻度が減っている機能は「音声通話」がもっとも多く、逆に「メール」の利用度が去年と比べで増えていることが明らかになった。名前通り元々は「携帯」するための「電話」であった「携帯電話」だが、機能の充実により総合モバイル情報端末としての位置づけが強くなっているのが分かる。
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今回の調査は12月12日から13日にインターネット経由で行われ、対象は20代から50代の携帯電話ユーザー300人。男女比は1対1で、年齢層は10代・20代・30代・40代・50代がそれぞれ均等割り当て。調査数がやや少なめのため、世間一般とはずれが生じている可能性を考慮してデータを見る必要がある。
携帯電話の主要機能である「音声通話」「メール」「インターネット」それぞれについて、去年2006年と比べて利用頻度はどのように変化したかを尋ねたところ、次のような結果が出た。
■音声通話
・変わらない……59.3%
(今年が多い派……28.7%)
・今年がとても多い……3.7%
・今年が多い……7.7%
・今年がやや多い……17.3%
(去年が多い派……12.0%)
・去年がとても多い……0.7%
・去年が多い……4.3%
・去年がやや多い……7.0%
■メール送受信
・変わらない……53.7%
(今年が多い派……36.7%)
・今年がとても多い……5.0%
・今年が多い……8.7%
・今年がやや多い……23.0%
(去年が多い派……9.7%)
・去年がとても多い……0.3%
・去年が多い……3.7%
・去年がやや多い……5.7%
■ネット利用(フルブラウザ含む)
・変わらない……61.3%
(今年が多い派……30.3%)
・今年がとても多い……4.3%
・今年が多い……6.7%
・今年がやや多い……19.3%
(去年が多い派……8.4%)
・去年がとても多い……0.7%
・去年が多い……2.7%
・去年がやや多い……5.0%
少々分かりにくいので、それぞれの利用方法において昨年との利用頻度の比較で「去年が多い派」「今年が多い派」のみを抜き出して並べると次のようになる。
■音声通話
・変わらない……59.3%
・今年が多い派……28.7%
・去年が多い派……12.0%
■メール送受信
・変わらない……53.7%
・今年が多い派……36.7%
・去年が多い派……9.7%
■ネット利用(フルブラウザ含む)
・変わらない……61.3%
・今年が多い派……30.3%
・去年が多い派……8.4%
いずれの機能も平均すれば去年より今年の方が増加傾向にあり、携帯電話への傾注度が増加しているのが分かる。しかしその中でも「去年の方が多い」との回答がもっとも多いのは「音声通話」で、「今年の方が多い」という回答は「メール送受信」であることから、「音声通話」から「メール送受信」に携帯電話の機能利用シフトが起きていることが想像できる。
各機能の利用頻度が増えている中での区別化や、調査母体数が少ない結果においては誤差の範囲内という解釈もできなくはない差であるため、他の調査のデータも比較して検証する必要があるだろう。
例えば【携帯電話は「電話」にあらず? 「ほとんど通話しない」が4割】では1万人近い対象による調査結果として、携帯電話での長電話という状況は滅多になく、音声通話をしてもトランシーバーのようなやり取りで短時間で済ませてしまう場合が多いことがうかがえる。また、60代・70代に限定されてしまうが【メールにカメラに大活用・60~70代もケータイバリバリ世代】にもあるように、高齢者の携帯電話利用スタイルも、通話はトランシーバー的な使い方に留まり、主にメールなどを用いていることが分かる。
音声通話と比べるとメールの方が相手に情報を伝える際のハードルが低いことが、「通話よりメール」という流れをもたらしていることは容易に想像がつく。携帯電話から音声通話機能が無くなることはないだろうが、今後ますます「携帯電話」という言葉がそれ自身を表すのには相応しくない役割を果たしていくことになるのだろう。
(最終更新:2013/08/18)
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