心理学的なジャンケンの必勝法、最初に出すのは……

2007年12月20日 08:00

ジャンケンイメージ公正な勝負事の方法として世界に知られているジャンケン。グー(石)・チョキ(ハサミ)・パー(紙)のいずれかを出し、選択肢が三つしかなく、グーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、パーはグーに勝つという、シンプルで分かりやすいルールなのも普及している一因だろう。【DailyMail】においていわば世界共通の勝負システムである「ジャンケン」に、心理学上の見地から「チョキを選ぶべきだ」という話が展開されていた。少々面白い話なので、プラスαのオリジナル小ネタと共に紹介する。

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DailyMailが語る「心理学的ジャンケン必勝法」

グー・チョキ・パーの選択肢のうち、もっともよく出される手は「グー」であることが知られている。日本の場合では「最初はグー」というジャンケンの掛け声にもあるくらいだ。「ならば最初はパーだろう。そうすれば勝てる可能性が増える」というのが普通の考えなのだが、元記事での「心理学的な」必勝法ではここからが違う。

「最初にグー」を出す可能性が高い事は周知の話。相手はこれを知っていて、グーに勝つための「チョキ」を出す可能性が高くなる。そこでその裏をかき(これが「心理学的な」という意味(笑))、最初に「チョキ」を出せば、最初に出す手の傾向を知って勝とうとした相手を打ち負かすことが出来るというのだ。

■一般的に知られている傾向
・ジャンケンの最初には「グー」を出す可能性が高い

 ↓

■そこで普通に考えられる対抗手段
・相手が「グー」を出す可能性が高いのなら、「パー」を出せば勝つ可能性が高まる

 ↓

■その相手の「対抗手段」の裏を「心理学的に」読む
・相手が世間一般に知られている「グーを出す可能性が高い」を知っていて「それに打ち勝つパーを出す」だろうから、それに勝てる「チョキ」を出せばよい


元記事では「成功例」として2005年にクリスティーズとサザビーズの間で行なわれた、日本人の美術品コレクターのオークション開催場決定を判断するジャンケンにおいて、クリスティーズ側が従業員の11歳の娘のアドバイス「みんなはグーを選ぶと予想しているよ(だからサザビーズはパーを選ぶわ。それに勝つのはチョキよ)」に従いチョキを出し、見事に開催場の権利を獲得したしエピソードが伝えられている。

他にも元記事ではブラフ(はったり)を使うことも書かれている。「自分は○×を出すよ」と宣言してからジャンケンをすると、相手は実際にそれを出すとは信じない傾向がある。だからそれを逆に「心理学的に」利用する、というもの。

例えば「チョキを出すぞ」と宣言すれば、相手は「チョキなど出すものか」と思う。残りは「パー」「グー」のいずれか。少なくとも「パー」を出せば負けることはないから、「パー」を出す可能性が高くなる。そこでこちらは宣言通り「チョキ」を出せば、勝つ可能性が高くなるというものだ。

また潜在意識下の選択方法として、「自分が出した手に打ち勝つ選択肢を、直後の回に出す傾向がある」という話も紹介されている。つまり最初に「チョキ」を出した人は、その直後にはそれに打ち勝つ「グー」を出しやすいという。一度目があいこになったら、このような傾向もあると考えればよい。

論理そのものはあながち間違っていない。ジャンケンの場において思い起こせれば、あるいは役に立つかもしれない。ただ、「最初にチョキを出すべき」という話が広まると、今度は「最初にチョキを出すと勝ちやすいという話が広まっているので、ならば相手が出すであろうチョキに勝てるグーを出せば」という考えが湧き上がる。堂々巡りになりかねない。

ジャンケングリコの勝利学

……と、キツネにつままれたような話な気がしなくも無い。これだけでは少々「結局堂々巡りなだけで、何の意味もないのでは」とつっこまれかねないので、もう一つジャンケンがらみの話を。

チョコレートイメージジャンケンを利用した遊びに「ジャンケングリコ」というものがある。参加者がジャンケンをして勝つと、その手に従った歩数分前(歩数が分かりやすい階段やマス目上の床が良く用いられる)に進むことが出来るというもの。「グー」で勝てば「グリコ」で3歩、「パー」で勝てば「パイナップル」で6歩、「チョキ」で勝てば「チョコレート」で6歩進める。小さい「ッ」や「ョ」は大きな文字として数える。歩く際には「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」のように、一文字一文字を大きな声でしゃべりながら一歩一歩歩くこと(【参考:あそび教室のホームページ】)。

この「ジャンケングリコ」においては、チョコレート、つまり「チョキ」の出す回数を多くすることで、最終的に勝つ可能性が高くなる

理由はそれほど難しくない。それぞれの手において、勝った場合と負かせた相手のことを考えればよい。

・チョキで勝つ……6歩進める&相手の6歩進める可能性を止められる
・グーで勝つ……3歩進める&相手の6歩進める可能性を止められる
・パーで勝つ……6歩進める&相手の3歩進める可能性を止められる


よって、自分がもっとも先に進め、かつ相手がもっとも先に進める可能性を止められる選択肢は「プラス6歩」で「6歩を止める」な「チョキ」であるわけだ。純粋なジャンケンなら「グー」「チョキ」「パー」による勝率はすべて同率なので、効率的には「チョキ」がもっとも良いという計算になる。

とはいえ、「チョキ」ばかり出していては相手が気が付いて、今度は「グー」ばかり出されてしまい、「チョキ」が有利になるという前提「グー・チョキ・パーすべてにおいて勝率が同率」が崩れてしまう。このような状況になると必勝法は通用しなくなる。

あくまでも他人に気がつかれない範囲で、「チョキ」を多めに出すことが肝心かなめである。

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