「給食ごみ」=「バイオエタノール」+「バイオガス」な実験を東京ガスが実施
2007年12月13日 08:00
【東京ガス(9531)】は12月12日、環境省の「次世代廃棄物処理技術基盤整備事業」の採択を受け、江東区などと共同で小中学校の給食ごみなどからバイオエタノールとバイオガスを同時に回収する実証実験に取り組むことを明らかにした。12月17日から関連施設を建設し、来年2月中旬の完成以降に実証実験を開始する(【発表リリース】)。
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具体的な実験内容は次の通り。江東区内の小中学校の給食ごみなど主に生ごみ200キロ/日を、建設した施設内で粉砕、酵素を加えて糖化する。これで生ごみ内の炭水化物が糖に変わるので、しぼって液体と固形分に分け、液体は発酵させてバイオエタノールを回収。残った固体などはバイオガスを回収する。要は給食ごみなどからバイオエタノールとバイオガスが精製できることになる。
生ごみからバイオエタノールとバイオガスの同時回収システムイメージ
今実証実験施設では精製規模が小さいため、作られたエタノールは学校の教育用、バイオガスは発電やボイラーで利用して施設内の機器の稼動に充てる。具体的な精製量は1日あたりバイオエタノール5リットル(濃度90%以上)、メタンガス20立方メートルを目指すという。また施設そのものも見学可能とし、地域住民への環境問題啓蒙や、環境教育への貢献も推し進めるという。
環境教育において、実際に稼動している機器を見せて資源のリサイクル現場の仕組みを説明するのは、大きな効果が期待できる。文章や写真からでは分からない、何物にも代えがたい「現場の感触」を自分の目で確かめられるからだ。他の教育施設や手法同様に即効効果は無いだろうが、年を経るに連れて環境問題に関してプラスの効果が必ずや導かれるはずだ。
また、実証実験の過程で判明した問題点を突き詰めて改善を模索していけば、本格的な商用化施設への建設の足がかりにもなるだろう。今後の展開に期待したいところだ。
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