バフェット氏いわく「アメリカ経済は景気後退入りの可能性」

2007年12月13日 08:00

株式イメージバークシャー・ハサウェイの最高責任者でビル・ゲイツ氏と並び世界有数の資産家、そして中長期的投資家として著名なウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏がCNBCテレビとのインタビューの中で、アメリカ経済がリセッション(景気後退)する可能性があるとの見解を示していたことが明らかになった。失業率が上昇すれば、という条件がつけられてはいたものの、世界有数な投資家による発言であるだけに注目を集めている(【関連記事(英語)】)。

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バフェット氏は感謝祭前後のアメリカ市場での消費が堅調であったものの年末商戦における小売業の業績が軟調に推移していることを指摘。住宅市場や金融市場における軟調さや信用不安が、個人消費の弱さにも反映されいるのではないかとした上で、「もし失業率も上昇しているのなら、我々はリセッション入りする可能性がある(If unemployment picks up then we could be in for a recession.)」とコメントした。

肝心のアメリカにおける失業率だが、10月には2006年8月以降最高水準となる値まで上昇し、11月にはようやく横ばいの4.7%で落ち着いている。バフェット氏自身は自分の得意分野としている食品や家具などのセクターにおける企業が示している数字から、「市場状況は軟調のように見える」と言及。また大手金融機関によって設立予定の、サブプライムローン問題を解決する一つの手段として設立予定の基金については「解決策にはなりそうもない」と否定的な見解を示した。いわく、

「証券化をしたり所有権を他の誰かに移転することで、今金融問題を「カエルをキスで王子様の姿に戻すような」魔法のように解くことはできない。
 (You can't turn a financial toad (into a prince) by kissing it or by securitizing it or by transferring its ownership to somebody else.)」


とのことである。

市場全体が軟調な中で、個別の業績が堅調で安定しているのに不当に安く売り叩かれている企業を、特売価格でまとめ買いするのがバフェット氏の基本的な投資戦略。アメリカがリセッションに陥り市場がそれを反映するような状況になれば、氏が再び大規模な「攻勢」に出る可能性は否定できない。

逆に言えば、バフェット氏が積極的にアメリカ国内の株式を購入していると伝えられれば、アメリカの経済そのものが軟調に陥ったか、すでにその状況下にあり回復の兆しを見せていると見ることもできるだろう。

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