【更新】壁に受けた太陽光で暖房サポート・学校用太陽熱集熱外壁パネル「ソーラーウォール」発売
2007年12月11日 08:00
[日本軽金属(5701)]の100%子会社である新日軽は12月10日、アルミパネルを外壁に設置して熱を集め、室内の補助暖房として活用できる学校用の太陽熱集熱外壁パネル「ソーラーウォール」を12月17日から発売すると発表した。リリースでは今商品の設置で自然エネルギーを活用することによって、省エネ効果などが期待できると説明している([発表リリース])。
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今回発表された学校用「ソーラーウォール」は、アルミニウム合金板を黒く塗装して太陽熱を集約しやすいようにし、その熱で暖められた空気を給気ファンから室内に取り込んで暖房をするシステム。それ単体の暖房機器としてではなく、補助の暖房として利用できる。真冬でも日光に当たったアルミ製の自動車の車体上部やトタン屋根は温かく、よく野良猫が暖をとっていることがあるが、まさにあの「集熱効果」を利用したもの。
「ソーラーウォール」を設置した外壁
「ソーラーウォール」は1枚1.8m×0.9m(畳一枚のサイズ)。メリットは、暖房効果を考慮して閉めっぱなしになり換気が不十分な室内において、換気ができることにある。もちろん暖房費や二酸化炭素の排出量削減にプラスとなるだけでなく、環境教育の教材としても用いることができる。
リリースではいくつかの試算結果が掲載されているが、例えば東京地区で1教室あたり、年間で70リットル超の灯油を節約し、二酸化炭素の削減量は100キログラムをゆうに超えるとのこと(※システム内の給気ファンの動力がエネルギー節約量の計算に含まれているかどうかはリリースには記載されていない)。
「冬は良いけど夏は逆に熱気が教室内に入って大変なことになるのでは」という不安もあるが、夏には給気ファンの電源をオフにすることで対応。要は「冬のみ活用できるシステム」。
元々学校の壁には何かを設置していることもなく、場所的にもったいないという考え方もある。その場所の有効活用方法としては【朝顔で地球温暖化対策をした市役所】のように壁そのものに植物を伝わせて冷却効果を狙ったり、壁ではなく天井にだが太陽電池を設置して校内に明るさを提供するシステムがある(【「巨大な鏡で日陰を照らすプロジェクト」後日談・日本にも類似事例がありました】)。今回の「ソーラーウォール」もまた、「場所と自然の有効活用」「環境対策」という、今のニーズにマッチした商品といえるだろう。
ちなみに素人考えだが、基本的に今「ソーラーウォール」は冬にのみ利用できるシステム。ならば冬にはこの「ソーラーウォール」で暖房効果を、春から秋にかけては先の「朝顔市役所」のように朝顔などを壁に張らせて冷却効果を狙うようにすれば、一年中節約ができるような気がするのだが、どうだろうか(植物を張らせることでメンテナンスをしなければならなくなるかもしれないが)。
(最終更新:2013/08/18)
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