年の瀬に 親しい相手へ 「袖の下」 山吹色の お菓子はいかが?

2007年12月08日 19:00

悪代官イメージ年の瀬も押し迫り、年賀状の手続きをしに郵便局に顔を出すと、お歳暮のセットを勧めるパンフレットが目に留まる。贈り物は贈ってももらっても嬉しいものだが、テレビを賑わす「贈り物」関係の話は、防衛省のアレやコレなど困ったちゃんなものばかり。そんなこんなを耳にしながら「よもや『困ったチャン』な贈り物は売ってないよな……」と試しにネット上を検索してみたところ、良い意味で、かつセンスある贈呈品を二つほど発見(一つは以前に紹介していたものの再発見)。この類のセンスある商品は個人的に大好きなので、紹介してみることにする。

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山吹色のお菓子(やまぶきいろのおかし)

お中元・お歳暮・ワイロには山吹色のお菓子今はもっとダイレクトな表現をするが、江戸時代にはお役人への「投資」「袖の下」のことを「山吹色のお菓子」とも呼んでいた。要は、当時の最高額を示した貨幣である小判の色をしているお菓子(あるいは逆に、そのようなお菓子に見える小判そのもの)のこと。時代劇の1シーンでよく見かける、商人が最中(もなか)などの底に本来の目的である「小判」をこっそりとしのばせ、「投資」したいお役人に手渡すところから名づけられている。

実際にそのような状況がそう頻繁にあったとは思えないが、確かな記録が残っているわけではないので良くは分からない(ただ、例えば田沼意次の時代にはそれなりのことが行なわれていたという話もある)。

ともあれ、時代劇などでよく見かける、「最中の下をのぞいてみたら小判の山がこんにちわ」状態を再現した(?)のがこの商品「山吹色のお菓子」(3000円。税込み・送料別)。【専用の公式サイト】を見れば分かるが、専門のドメインを取得し、筆ペンでそれらしいタッチのイラストを配し、商品の質問とその回答コーナーに「山吹色の質問に玉虫色の回答」と名づけたり、挙句の果てに「袖の下・豆知識」のコーナーまで作ってサポートするなど、気合の入れ方を間違ってるがただものではない様子。

「山吹色のお菓子」第一弾。胡麻風味の和風パイ。
「山吹色のお菓子」第一弾。胡麻風味の和風パイ。

超(メガ)山吹色のお菓子イメージ商品内容そのものは胡麻風味の和風パイ。そのパイが、小判の束を模したパッケージに納められている。利用方法にいわく「お得意様との距離をより一層近づけたい営業マンのツールとして、何かと便宜をはかっていただきたいあの方への意思表示として、お主も悪るよのう・・・と一度はいわれてみたい方等々、贈り方お客様次第」とのこと。ジョークが分かる知人や取引先へ、ネタアイテムとしてはホームランなアイテムかもしれない(空振り三振ゲームセットになっても責任はとれないので念のため)。

なお昨今のメガブームにあやかったからなのか、【50個限定の超(メガ)山吹色のお菓子】も限定販売しているという。通常版と比較しても「どんだけー」なサイズ。価格も1万8900円(税込み・送料別)と、コメントできない額。「呆れるほどの高価パッケージコスト」とどこまで本気なのか分からない説明文が目を疑わせる。確かに「問答無用のインパクトで新たな年の意気込みがお代官様に」伝わることだけは間違いないだろう。

なお「メガ」とは別に、「黄金色のお菓子」なるものも第二弾企画として進行中のもよう。色々な意味で期待できよう。

是出世志名仁(これでよしなに)

続いて紹介する袖の下、もといオモシロ贈呈用和菓子は、10円まんじゅうや有名政治家をモチーフにしたお菓子(【最近では「太郎ちゃんの牛乳カステラ」など】)をはじめ、イメージとインパクトと企画力でつっぱしる大藤の小判型せんべい是出世志名仁(これでよしなに)。前世紀末期に流行った、バイク走行集団のグループ名のようですらある。

小判型せんべい「是出世志名仁(これでよしなに)」
小判型せんべい「是出世志名仁(これでよしなに)」

是出世志名仁(これでよしなに)動画イメージコンセプトイメージは「山吹色のお菓子」とほぼ同じ。商人が代官に「お届けモノ」をする際の、高価な黄金色の金属貨幣をイメージしている。要は袖の下の小判。パッケージには「お代官様、ひとつこれでよしなに」「おぬしもなかなか悪じゃのう」という、いかにもなセリフとイメージイラストが描かれている。

中身は小判の形をした瓦せんべい。しかもおもちゃの小判(開運招来小判)がオマケとして一枚同梱されている。こちらはこちらでやはりちょっとアレな方向に気合が入っているようで、【公式サイト】にはプロモーションの動画がアップロードされている。あの名シーンが商品を利用して再現されており、意外にツボにはまる。

なお定価は36枚入りで2100円(税込み)。公式サイトにはこのセットのみしか表記されていないが、実際には20枚入り1050円と5枚入り525円があるようだ。


「山吹色のお菓子」「これでよしなに」のいずれも、贈り先がある程度心の知れた対象であることが前提となるが、相手に与える印象は最大級のものであることだけは間違いない。また、両方とも単なるジョークだけのアイテムではなく、しっかりとした味わいを持つ和菓子である。笑いを得た後は口にしながら、歓談することもできるだろう。


(最終更新:2013/08/18)

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